社会問題小説・評論板
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- 恋愛小説
- 日時: 2021/07/09 22:39
- 名前: 猫屋敷 優奈 (ID: wxZ0SJGK)
こんにちは!猫屋敷です!(ねこやしきと読みます。)
ちょっとした短い小説です。
一応、小説ぽいので、ここに書きます!
基本的には、一日一回投稿だと思います。
一章 >>1
二章 >>2
三章 >>3
四章 >>4
- Re: ひとりごとー! ( No.1 )
- 日時: 2021/07/07 20:10
- 名前: 猫屋敷 (ID: wxZ0SJGK)
一章
みんな病んでる人に対して、冷たい目を向ける。
私は病んでるわけじゃないけど、そういう人はすごいと思う。
だって辛いこと、何か事情があって病んでるんでしょ。
それなのに嫌がらせをされたり、人によってはいじめられたり、無視されたりする。
そんなのよけいに辛いよね。
だから、私は病んでる人はある意味普通の人よりすごいと思ってる。
- Re: 小説?らしきもの ( No.2 )
- 日時: 2021/07/07 20:19
- 名前: 猫屋敷 (ID: wxZ0SJGK)
二章
屋上からすれば小さな鐘の音が聞こえて、私は起き上がる。
簡単に髪を整えて、扉に手をかける。
教室に着くと、そこはふたつに分かれていた。
ひとつは4人のグループ。
・平井 恋春 ひらいこはる
・金谷 結城 かなやゆうき
・土屋 栞 つちやしおり
・坂田 広樹 さかだひろき
もうひとつは、グループじゃない。
静かな人たち、いわゆる陰キャだ。
私はどちらにも所属していないけど、どちらかといえば後者だと思う。
私は誰とも話さず、というより話せず、いつもひとりでいる。
あんな理由があったら、そうせずにいられないでしょ。
- Re: 小説?らしきもの ( No.3 )
- 日時: 2021/07/08 17:34
- 名前: 猫屋敷 (ID: wxZ0SJGK)
三章
私は小さい時から話すことが出来なかった。
原因は失声病。
過度なストレスなどが原因で話せなくなる。
私は、小学校の一年生のとき、いじめられていた。
ずっと顔を隠したくてマスクをしていたから。
昔から顔がコンプレックスだった。
そしたら、マスク女だの、顔なし人間だの変なあだ名をつけられていた。
それで、いつからか声が出なくなった。
リハビリも兼ねて、新しい場所に引っ越してきたのが、高校一年生のとき、それから一年が経って、私はクラスでも浮いてしまった。
話せないから仕方がない。
お弁当の時も、登下校も、お昼休みも、いつもひとり。
周りからはクールビューティなんてよく言われるけど、そんなんじゃない。
知りもしないで、勝手な意見を振り回さないで欲しい。
そんなことも言えない。
でも私は変われた。
彼に恋をしてからは。
- Re: 恋愛小説 ( No.4 )
- 日時: 2021/07/09 22:39
- 名前: 猫屋敷 (ID: wxZ0SJGK)
四章
彼と出会ったのは中学一年生の時だった。
「ねぇ、名前、教えてよ」
「……」
「話せないの?」
なんで分かったの?
そう思ったけど言えなかった。
「失声病?」
ただただびっくりして、首をこくんと縦に振った。
「俺の妹もそうなの。ねぇ、良いこと教えてあげる。」
不思議そうに顔を傾ける。
これも私の出来る数少ない反応だった。
「スマホ持ってる?持ってるならメモ機能使えるよ。持ってないなら、メモ帳を常に持ち歩いて。ペンもね。そしたら、反応できるでしょ?」
そうだ。喋れなくても書くことは出来る。
「でも、喋れるように頑張ってね。俺、お前の声また聴きたいからさ。」
また、という表現に私は少し違和感を覚えた。
でもそれは置いといて、たまたま持っていたメモ帳を広げて名前を書いた。
『私の名前は、鈴山楓』
すずやまかえで と読み仮名もつけて彼に見せると、彼はまるで初対面ではないように頷いた。
「そっか。楓ね、覚えとく。よろしくな。」
そう言って笑う君は素敵だった。
その顔が何かに毒されていたことに、私は気づいていなかった。
- Re: 恋愛小説 ( No.5 )
- 日時: 2021/07/10 13:46
- 名前: 猫屋敷 (ID: wxZ0SJGK)
五章
「あの、私恋春って言うの。もしかして楓ちゃんって髪染めてる?」
彼、城山日向と出会ってしばらくしたあと、同じクラスの恋春ちゃんという子に話しかけられた。
私、髪は染めてないけど元々茶色っぽいからよく間違われる。
急いでメモ帳に書いて見せた。
『染めてないよ』
「そっか。」
否定の文を見せると恋春ちゃんは興味がなくなったようにそそくさと自分の席に戻って行った。
恋春ちゃんは染めているのだろう。
明らかに茶髪で、光に透けると金髪にも見える。
仲間を探してるんだろうな。
でも私はみんなと話せないから、おしゃれをする必要も流行をチェックする必要もない。
だから今日も、ひとりでいる。
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