BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 夢の図書室 (『愛があればなんでもできるんだよっ』更新中) ( No.10 )
日時: 2009/10/28 17:31
名前: 夢 (ID: I1B7LnPP)

第四話
『誤解…』


帰り道、不安で押しつぶされそうになりながら愁ちゃんの隣を歩く。
昨日までは早く感じた時間が、今日はとても長く感じる。

「なあ、壱吾」
「………なに?」
「今日、家…来れる?」

今日は木曜日。 部活がないから、いつも愁ちゃんとミニデートの日だ。

「…いいよ」

別れる前に、綺麗な思い出が欲しいから……
今日のことをなかったことにして、僕は「欲」に縋ることにする。





「今さ、従姉がきてるんだ」
「へぇー。どんな人なの?」
「美雪ちゃんと同類」
「美雪と? なにそれー」

さっきの重い雰囲気を吹き飛ばすように明るく振る舞う。
いや、振舞っているのではなく、自然と笑顔が溢れてくるのだ。

「呼んでくる?」
「うん、話してみたい」
「んじゃ、呼んでくるなっ」

飲んでいたココアの入ったマグカップを置いて部屋を出ていく。
それを見ると小さくため息を吐いた。

「…この部屋も最後かなー?」

呟いた声は部屋に響かず消えてしまう。
暫くすると愁ちゃんが戻ってきた。
……って

「はじめまして、苺ちゃん。国原優です」

この声、茶色のセミロング。
さっき教室で見た人だった。
そういえば愁ちゃん、さっき……
『美雪ちゃんと同類』って言ってたよね?
美雪が好きなのはお兄さんの千里さんだよね?
もしかして美雪と同類ってことは……
[血縁者に恋してる]ってこと?

「……はじめまして」

声が震える。
もしかして、こんな残酷な別れ方なの…?

「や〜ん! めっちゃくちゃ可愛いじゃなーい」
「だろ? 俺の彼女」
「彼女じゃなくて彼氏でしょー? ポジションは彼女であってるけど…」
「あ、ごめん。苺…じゃなく、壱吾」

そう言われてギュッと抱きしめられる。
僕の頭では整理できないけど、とても優しく抱きしめられた。

「こんな形で悪いけど…」

そうして唇と唇が近付けられて…

「きゃーーーーー! ヤバい、激萌え〜〜!」

……はい?
キスされる瞬間にどっかの誰かさんがいつも言っている台詞が耳に入る。
と、同時に反射的に声の方を見る。
そこには……

「あーもうっ! リアルにBLがあるなんてーー! 最高!」

萌死寸前の優さんが居ました。

「……ねえ、愁ちゃん?」
「なに?」
「今日の教室での『キスして抱きしめて』って…」
「あれ聞いてたのか…、今のがそう」
「…なんで?」

多分予想通りの答えが…

「そりゃ、優が腐女子だから」

……返ってきました。





つまり、僕の誤解……ってこと?
なーんだ…

「ねえねえ、今度はー≪PI—————!!≫してもらっていい?」
「いいわけねえだろーがっ!」
「……≪PI—————!!≫って?」
「苺は知らなくていいっ!」


愁ちゃん、やっぱり僕…

愁ちゃんのこと大好きッ






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というわけで……
一章は完結、かな?(←
一章で悩んだのが、どういう完結にするかとかそういうのではなく……
キャラの名前でした(笑)

というかめちゃくちゃ短編だよ…;;
二章はできれば長くしたい…






コメ返し


>>蜜ちゃん
結ばれましたよー! なんかぐだぐだ完結だわ…(泣
ベルフラ書こうかなーって(笑) 予定は芸能パロじゃなくなったけどね;;