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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【色々】暗い、喰らい、Cry【短編】 ( No.173 )
- 日時: 2010/11/03 00:16
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: LQijQRnu)
- プロフ: そのまま言葉に出来るものなんて、なかなか無いよね
初めは嫌悪感の塊みたいな奴だと思っていたのに。何故今自分は彼に押し倒されているんだろうか、とキルネンコは視線をずらした。あ、切れて良いってことなのかなぁ。どこか非日常めいているこの状況に、正直キルネンコは付いていけていなかった。……まぁ、自分は常に異常な状況下に置かれているのだが。
「好きです、キルネンコさん」
「生憎僕は兄さん以外は全て汚物に見えるんだよね、ってことで退けろ汚物。潰すぞ」
「それで貴方が僕を愛してくれるのなら」
「……君って意外に最低だよね」
兄さん以外の奴なんて消えろ、がキルネンコの持論である。資本主義ならぬ兄さん主義。それを知っているものなら、誰も彼ら双子に近づきはしないしましてや愛そうとはしないのだが————彼、プーチンはキルネンコに爽やかに笑んでみせた。
「お互い様ですね」
「最ッ低」
「有難う御座います!」
「褒めてないからね、コレ」
結局こいつは自分を愛そうとしてるのか、それとも兄さんを愛そうとしているのか。
それだけが問題だ、とキルネンコは深く冷たい息を吐く。もしもコイツが自分を好きだというのなら、この体をコイツはどのようにして愛すのだろうか。唇が兄さんのものだとしたら、彼はキスはしないのだろうか。この頭が兄さんのものだとしたら、彼は頭を撫でてはくれないのだろうか。
(ああ、自分は彼に愛してもらいたいと思っているのか)
上から圧し掛かってくる彼の体温は、キルネンコの体温と溶けて混ざり合った。
■相対レゾンデートル
自分が他人と入れ替わっていたとしても、それでも君は俺を愛せるのかい?
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キルネンコは僕と俺と自分と私が混ざり合った敬語系が良いな!
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