BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【色々】暗い、喰らい、Cry【短編】 ( No.180 )
- 日時: 2010/11/06 01:06
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: LQijQRnu)
目かちかちかした。何だと思ったら、携帯の液晶画面。ついでに誰だっていう疑問もわいたから、画面から視線をひょいっと外してみた。案の定、不動だった。……絶賛不機嫌中な顔をしている。
「どうした?」
「メールくれや」
「唐突だな」
練習終わった後だっていうのに、突然意味分からないこと言うなっての。呆れながら言うと、不動は自身の行動に悪びれることなく、「うっせえ」と一蹴してみせた。お前は何様か。
「お前さ、何で俺よりアイツとのメール多いわけ? 何、浮気してんのかよ? だっせー」
「…………たくさんツッコミがあるけどな、アイツって誰だよ、鬼道か?」
「鬼道ちゃんじゃねーよ、あの眼帯ヤローだよ」
佐久間かよ! てか何でお前佐久間に焼きもち焼いてんだよ! ……とか内心ちゃぶ台ひっくり返した。まぁ顔には出さないけど(不動が怖いし)。
とにかくその真顔を何とかしようと、俺は不動に向かって、真実を言葉に出した。
「言っとくけどな、佐久間からのメールは殆ど鬼道関係のメールだよ。しかもノロケ。鬼道がどれだけカッコいーかとか、どんだけサッカー上手いか。……そのノロケを俺が聞いてやってるだけだ」
「はっ、へタレ源田か」
「ごめん、殴って良いか?」
「とにかくな、」
最近お馴染みのへタレという単語に反応したのか、右の拳が自然に握り締められる。そのまま頭のてっぺんに落としてやろうかと考えたけど、行動の途中でまたもや不動の声に遮られた。
「たまにはメールしてこいよ、あほ源田」
「…………あ、お、……おう」
「よし、オーケー」
不動が俺の返事を聞くや否や、携帯の液晶画面を閉じる。何かすんなり話は終わったようだ。少し安堵した。
「……あー……」
とりあえず————メールするの面倒だなーどんなメールしようか、てか何かメールすることあんのかなぁ、だりぃー……とか思いつつも。不動の嬉しそうな笑いを見て、正直可愛いと感じてしまう俺は、相当こいつにベタ惚れしてんだなぁ、と。
俺は、いわし雲を見ながらぼーっと考えていた。
■プリーズ、プリーズ!
ただただ、欲しい(、貴方だけが欲しいのよ)。