BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【色々】透明サイコロジー【短編】 ( No.193 )
- 日時: 2010/12/25 23:58
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: abkT6QGo)
- プロフ: もしかして59・60巻ネタバレかもー注意。
サボは、布団の上で抱き合い、夢の世界に浸る2人をべりりと引き剥がした。んー、と不愉快そうに目を開けるエース。サボは大声で、エースに一喝した。
「いい加減に、起きろ!」
「ああああああああうっせーサボ! ルフィ起きちまうだろが!」
「お前が一番うるさいんだよエース!」
怒りの叫びに対し、辛辣な現実を突きつけるサボ。サボは、今にも襲い掛かってきそうなエースを片手で制止しながら、今度は毛布で包まれている愛弟を優しくたたいた。
「……ルフィ、朝だぞ。起きろ。じゃなきゃ朝飯食えないぞー」
「ぐむー…………おー、おはよーサボーエースー」
眠い目をこすりつつも、ルフィはサボに元気に笑んでみせた。その笑みを受けて、サボはエースに向けた表情とは真逆の紳士的な微笑をする。
「おはよう、ルフィ」
「ルフィおはよー! ……なーサボ、ルフィと俺との対応の違いが半端なくね!?」
絶望に満ちた顔をするエースをさらっと視界から消し、サボはルフィがかけていた毛布を片付けた。ルフィはまだ眠さが残っているようで、しきりに欠伸を繰り返している。……だが、およそ13回目の欠伸を終えると、ルフィは疑問に満ちた声をあげた。
「なープレゼントどこだ?」
「…………ッ」
「ぐうっ!?」
言葉を失うサボと、痛いところを突かれ呻くエース。明らかに、そんなこと聞くなよ的なオーラを醸しだす2人。しかし、ルフィはそんなことも露知らず、無邪気な問いを投げかけた。
「あれ? サボー、エースー、サンタからのプレゼント置いてねーか?」
しばらく口を噤んでいたサボとエースは、気まずそうにお互いの顔を盗み見る。が、やがてサボの方が根気負けしたのか、サボは呆れたような嬉しそうな複雑な表情をし、ぽりぽりと頭を掻いた。
「……あーもー…………」
「んじゃ俺もー」
そして、がばっとルフィの右側からルフィの体を抱きしめる。ルフィはその行動に驚愕し、重い瞼を上げた。何で? とエースの表情をルフィは窺う。首を傾げるルフィを見、エースはサボと同様に、勢いよくルフィの左側に抱きついた。
「にしししししー」
「ははっ」
そして、抱きつく2人から単純明快な一言が。
「俺達がプレゼントの代わりじゃ駄目か?」
「俺らがプレゼントの代わりじゃ駄目か!」
沈黙。ルフィはサボとエースという2人の兄からの発言を聞くと、しばらくぽかんとしていた。だが、やがて、口の端から小さな笑いが漏れる。それは段々と大きな笑いへと変わり————
「————そんなん、いつもと一緒じゃねぇかよー!」
と大声で言うと、抱きしめられたま両側のサボとエースを抱え込んだ。その言葉に、サボもエースも「だな」と互いに笑いあった。……3人の笑いは、しばらく途切れることが無さそうで。
■さあ、おはよう。
いつもと違う朝でも、いつもと同じ朝でも、幸せなのには違いない。そんなことを考えながら、3人は満面の笑みを浮かべる。