BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【色々】透明サイコロジー【短編】 ( No.203 )
日時: 2011/01/05 23:33
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: jbwgUQwv)
プロフ: ※捏造兄※暴力、せん.争後※スコ英

 「おい、愚弟」

 片手に掴んだ肉の塊に、そう呼びかける。手の内から伝わってくるどくんどくんという拍動は、こいつがまだ息をしているということを物語っていた。こいつを引きずる度に、俺の家の廊下は深紅に染まっていく。汚ねぇ、といつもなら感じるはずなのに、現在の俺の脳内は焦りと怒りで占められていた。
 
 「くたばんなよ」

 その言葉にどんな意味をこめたのは、何年か経った今でも思い出せない。だが、俺の言葉に対して、うす汚れた愚弟が小さく息を呑んだのは覚えている。そして、その後。片手の肉塊が更にずっしりと俺に重みを分けてきたのも、覚えている。



 ■貴方の優しさによりかかった、



 「1人で歩けんなら歩け愚弟が(ごすっ)」
 「(兄さん痛い痛い痛い痛い死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ……!)」