BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【色々】透明サイコロジー【短編】 ( No.206 )
日時: 2011/01/06 00:23
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: jbwgUQwv)
プロフ: ※ヘ.夕鬼派生※ネタバレ有※人☆名

 「ねぇ、アーサー」

 包帯が巻かれた両手で、フェリシアーノはアーサーの手をとった。その手つきは大切なものを壊さないように、と優しく丁寧なものである。しかし対称に、当のフェリシアーノの頭には包帯が、また服の裾は血に濡れている。

 「……あぁ、分かってる」

 フェリシアーノと向かい合ったアーサーは、ガーゼや絆創膏が貼られた頬を無理矢理動かして、不恰好に笑う。だけどもその微笑はとても幸せそうで、フェリシアーノもつられて目を細めた。そうして、傷だらけの2人は満足そうに、幸福そうに、微笑んで。
 そして、2人で呟いた。


 「もう、君だけが傷つかなくても良いんだよ?」
 「もう、お前だけが泣かなくても良いんだぞ?」


 
 ■each other


 ————これからは、お互いに、2人で。