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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【色々】透明サイコロジー【短編】200企画、刻鎖様リクうp! ( No.219 )
- 日時: 2011/01/13 18:37
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: jbwgUQwv)
- プロフ: 10巻の当麻→土御門にたぎった結果。
「お前さ、科学側(こっち)に来ることできねぇの? ……そんな、魔術と科学側を行き来せずにさ」
ふと口をついて出た言葉だった。浅い眠りから覚めた俺は、ぼーっと1時間前の情事を思い出しながら、上半身を起こす。発情期の猫みたいに、何度も何度も交わったせいか、砂を飲んだかのように喉が乾いている。それに足して下着とズボンしか履いてないので、肌寒い。床でぐったり中の土御門も寒いかと思いきや、ロッカーから拝借したのか、誰かのジャージを羽織っていた。確かに夜の学校だから人気はない。だが人のジャージを素肌に羽織るってどうなんだ。
「にゃー……無理だってぇ……」
土御門は話すのも億劫そうなぐらい疲れていた。それを見ると、俺は1時間前までの自分の行動に、少し罪悪感を感じる。それが表情に出ていたらしい。土御門は「あ、平気平気だにゃー」と痛む腰をあげて、土御門は笑った。
「どっちか片方になんて、無理ぜよ」
「どうして?」
「んー、……例えばにゃー」
土御門はそこで言葉を切ると、床に散らばった衣服に手を伸ばした。
「この土御門さんは、魔術側と科学側を行ったり来たりしてる訳だぜい?」
「ふむふむ」
「多少、自分を過信した評価をつけるとするならば、俺がこうして魔術と科学の間を動くことによって、この2つの世界の均衡や平行は保たれてる————って思うんだよ」
天秤みたいにさ、と片手にシャツを、もう片方にはズボンをという形で、土御門は両腕を平行に上げた。俺は胡坐をかいて相槌をうっている。
「だからにゃー、俺はこっちだけって訳にゃーいかないの」
「……一途じゃねーのなー」
俺の皮肉めいた言葉に、土御門はにんまりと口角をあげて返す。
「お互い様でしょ?」
■お互い様なそうです。
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