BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■一→←上 お互い好きなのにもぞもぞ ( No.240 )
日時: 2011/02/18 23:22
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: zi/NirI0)
プロフ: 吹寄えええええええ揉ませてくれええええええええ!

 『お前は、俺には眩し過ぎる』
 携帯越しの彼の声は冬の空気よりも冷たかった。手袋を外して携帯を手にしているから、妙に手首の辺りがすーすーする。風邪を引いていると悟られないように、喉を軽く鳴らして声を発した。
 「能の無い上条さんには訳が分かりませんですことよ?」
 『だろーな、俺も言ってる意味が分かんねェ』
 笑ってんのか泣いてんのか、はたまた無表情なのか。声のトーンはいつもと変わらないから、今アイツがしている表情さえ感じられない。どうせ目つきの悪い瞳を薄く閉じて、気持ち良いソファーの上で寝転がって喋ってるんだろうな。ただ残念、これは上条さんの妄想であり想像である。もしかしたらアイツは今メイド喫茶にいてニヤニヤしているかもしれないし、もしかしたら血塗れのまま冷たくなった人間の山の頂上で、胡坐をかいているのかもしれない。後者なら安易に想像できるが前者のイメージは酷い。アイツと一緒にいる女の子が見たら泣き喚きそうな感じだ。
 「……まぁ、とにかくよー」
 人気の無い通りは、灰色に満ち溢れている。通っていく人はみなある程度の色彩を持った服装を着ているはずなのに、全て混同して灰色へと移り行く。背景のように見えるそれらの中を歩きながら、俺は一つの答えを返した。
 「眩しかろうが暗かろうが、全然何も関係ねえっつーの」



 ■CALL終了の合図


 (だから、アイツは馬鹿なんだ)