BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

一上 何だコレ ( No.252 )
日時: 2011/03/03 22:49
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: zi/NirI0)
プロフ: 子・作・りしまURYYYYYYYYYYYYYYYYY

 「いや、お前だろ」
 「ふん、テメェだ」

 頭上から降ってきた質問に、黒髪ツンツンの少年と白髪赤目の少年は同時に答えた。黒髪の方はさも当たり前のように、白髪の方は苛立つように。2人の声色は別々だが、だが相手のことを指しているのは明確だった。当然のように、意見の相違からは争いが生まれる。

 「何言ってんだ、いつもボロボロのめためたで帰ってくんのはテメェだろ学園都市最強の一方通行さんや!」
 「はァ? てめェがそれほざく口持ってんのか三下が。右手使う前に押し倒して喘がされてェのかてめェは、あ?」

 ぎろりと赤い瞳を黒髪へと向け、白髪は眉間に皺を寄せた。

 「……でも、あながち間違いでもないだろ」

 常人なら目を背け冷や汗を流しそうなその視線を受け流すと、黒髪の少年は苦々しく言葉を放った。白髪の少年の睨むように潜めていた眉間の波が、少しだけ柔らかい波へと変わる。

 「いつも俺の前から消えて、そんで気付いたら血まみれで帰ってきて。そんでまたふらっとどっか行ったら傷ついた顔で戻ってきて————痛々しいのまお前だっつーの、一方通行(アクセラレータ)」
 「だからよォ、てめェが言える権利なんてねェだろォが。三下ァ」

 相手の行動を裁くような神聖さを孕んだ黒髪の言葉に、白髪は嘲笑という形で応じてみせた。杖が無くては立てない体が、ゆらりと周囲の空気を感じるように大きくぶれる。やがて白髪は、瞳と同じぐらい赤い口から、ナイフのような鋭い言葉を黒髪に返した。

 「……何かを守る為に自分が傷ついて、それでも泣き言いわねェなんて戯言は、ただ痛々しいだけなんだッつーの」




 ■痛々しいのはどちら?
                ——————A.両方