BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

ラビ←神(♀)←オリキャラ 甘いぜこいつァ ( No.254 )
日時: 2011/03/05 10:00
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: zi/NirI0)
プロフ: 子・作・りしまURYYYYYYYYYYYYYYYYY

 ————え、どっちも泣かんでしょ? だってユウだし?
 返事がそれだった。殴った。いや六幻で突いた、喉を。私が泣かないとかほざくその口なんて、縫われてしまえとも思った。何でだ、瞬間は私の心はぐつぐつと怒りの沸騰音を奏でていたんだ。
 私とアイツは泣かない。決して弱みをみせたりしない。確かにアイツの言うことは当たっているんだ。事実無根でもない。だけど、だけど。何でか知らんが、その時は異様にむかついて悲しくなって、ぶん蹴った。……いや、殴ったんだったっけ。

 「かーんーだー、チューしよーチュー」
 「かえれ」
 「いや、ここ俺の部y」
 「土に」

 土にかよーとへへへと嬉しそうに緩む頬を前にすると、いらいらとした気持ちが静まっていく(ような気がせんでもない)……のか。私は今、私のことが大好きで蹴って欲しいとかほざく奴の部屋にいた。だけど私はラビと付き合っている。泥沼関係とかリナリーがモヤシときゃっきゃしてたが、まぁリナリーが言うならそういうことなんだろうと納得。

 「むーん、何で神田は俺のことそんな突っぱねるわけー? 辛いこととか悲しいこととかあったら俺の部屋くんのにー……誘ってますよ襲ってくださいオーラじゃんかよー! 俺いつも生殺しじゃんかばぁか!」
 「お前と私が交わって何か得があるか? 無いだろ」
 「えー、そうかなー」

 対岸のベッドに腰掛ける潤は、むむぅと顎に指を宛がい口をすぼめる。それが子供のようで少し面白い。数秒経ち、潤は顔を上げるといかにも名案とばかりに私に笑った。

 「俺なら神田の泣ける場所作って上げられるよ、ってのはどうだろう。ずばり、俺だけの特典!」
 
 ……。言葉が出なかった。何だこいつ、私の欲しいものや場所をよく知ってる。今こいつは私が一番欲しているものを目の前に掲げているのだ。俺と一緒にいるなら、これをあげる——なんて。
 本来ならば私はここで、それを手に取るべきなんだろうけど。

 「………………いや、だが断る」
 「えー何それ! 何でそこでネタ的な感じで断るんだよかーんーだー! 俺と一緒になろーよー!」

 でも俺は、居場所をくれないアイツのことが好きなんだろうから。




 ■すぐ泣くのはどちら?
                ——————A.無回答