BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■ え、え? ( No.260 )
日時: 2011/03/07 23:22
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: zi/NirI0)
プロフ: よくわかんねっス

 きっと泣けば良いんだろうが、泣けない。心が壊れているとかそんな中二病満載のかっこつけた理由ではなく、ただ単純に、面倒だから。そうしている間にも、自分の傷口からは未来への鬱々とした思いが膿みととして溢れ出る。理解できているからこそ、来るべき未来を感じ、暗い思いになるのはいかにも悲劇のヒロイン気取りで嫌になる。

 「だらしなくて、面倒で、いけないって分かってるけど自分のベクトルは甘い方へどんどん向いちゃって。気付いたら戻れないまで遠く来ちゃってて。そこでようやく、あぁ、どうしようって思う訳さ」

 自分の嘲るのは趣味じゃない、自分を傷つけるのも趣味じゃない。ほんの少しだけ、他人への優越感と自分が誇れるものが欲しいだけ。たった一握りで良いから、自分が愛されているという証拠が欲しいだけ。

 「自分を甘やかしてくれるなら、男でも女でも、はたまた動物だって良い。私は純粋に、甘えても良いよって、愛してるよって言ってくれる人が欲しいだけ。ちょっとでも私が疲れたら、大丈夫って言ってくれるような、そんな人が」

 きっとそれは自己中心な考えだ、と皆は笑うだろうけど。
 けど私は一生このぬるま湯につかったままだろうから。

 「対峙するぐらいなら、逃げ切ってやる」

 そう笑う私の首根っこに、誰かの指が絡みつこうとしていたとしても。