BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

仗承(♀) ほわいとでいー ( No.267 )
日時: 2011/03/18 22:51
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: uHvuoXS8)
プロフ: 最高に『ハイ!』って奴だァ!!

 満面の笑顔で両手を広げられた。いわゆる受け入れのポーズだ。だけどその腕の中に収まる気になれないのは、何故だろうか。大体心当たりがある。いや、こっちは無いつもりなんだが。向こうが無理に正当化しようとしている。イコール迷惑。論文のテーマを考えるよりも早く答えが出てしまった。これ如何に。

 「お返しは承太郎さんっス!」
 「……まて、ちょっと待て」



 ■きみにおかえし、ぼくにおかえし



 「? はい?」

 そんな本気で疑問です顔をやめろオラ。ぐっ、と握った拳をどうにかスタンドの力で抑え(よくやったスタープラチナ)、目の前の仗助を見る。……うん、むかつく。やっぱ一発殴った。

 「ふぼッ!? じょ、承太郎さん何で俺殴られたんスか!」
 「当たり前だ馬鹿野郎、何で私がバレンタインデーにチョコをあげたのに、ホワイトデーで返さなくてはならない……」
 「あ、いや、分かったんでスタンドしまってください。説明しますんで、ハイ」

 両手でどうどうと馬を落ち着かすように私に手のひらを向ける仗助。ちょっと可愛いとか思った自分は末期なんだろうが、今はそんなこと関係ねえ。「チッ」と盛大に舌打ちして、近くのソファーに腰掛けた。柔らかいソファーに体重ごと体が沈み、一瞬の心地よさを感じる。

 「じゃ、説明っス」
 「8秒内で頼む」
 「その間に時を止めて逃げるつもりっスね! そうは行かないっス、クレイジー・ダイヤモンドッ」
 「…………テメェ、何ドアを壁と一体化させてやがる……」
 「話を最後まで聞いてくれたら、直すっス」

 鬱陶しいという言葉を飲み込んで、仗助を睨む。仗助は一度びくりと肩が跳ねると、冷や汗を書きつつ視線をそらした。良い度胸だテメェ、後で覚えてろ。胸倉をつかみたい気持ちを必死に抑えて、私は至って平常心のように言葉を投げかけた。

 「で、つまり結論は?」
 「早いっス……でもそこがイイ……!」
 「スタープラチナ」
 「オラオラしようとしないでくださいッ!?」
 「じゃあさっさと言え!」
 「えーっと、っスねぇ…………」

 私の怒号に、仗助はしぶしぶと口を開いた。女、されど元不良。持ち前の厳しさと怖さで相手の口を割————話す気にさせるのは得意だ。ようやく怒りの波が静まろうとしている。冷たくなっていく心情を感じながら、仗助の話を待つ。そんな時に、仗助はさらっと序論本論結論と続けて放った。

 「バレンタインデーでは俺が承太郎さんを貰ったんで、ホワイトデーでは承太郎さんが俺を貰ってください。具体的に言うと、承太郎さんの好きなプレイを俺がやるっス!」

 殴った。