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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- 佐久→照 ひたすら後悔 ( No.271 )
- 日時: 2011/03/19 00:50
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: uHvuoXS8)
- プロフ: 天使になりたかったてるみん、今の位置で安心してる佐久間
「神様なんて、居ないんだよ」
からからに渇いた喉から搾り出されたそれは、砂をすりつぶすような声だった。薄いレモン色の髪を弄びながら、緩くこいつの体を両手で包む。体中がこいつの体温で静かな温かさを保ち、まどろみを与えてくる。こいつを抱きしめている俺は幸せなんだろうが、だけどこいつの方はそうでもないんだろう。砂漠に水を求めるような、無意味な言葉を虚空に投げかけていた。
「神様に手を伸ばそうとしたから、僕は裁かれたんだ」
「……だから、お前はまだこんなとこにいるのかよ」
「違うよ」
こいつが羽をへし折られたことを、俺は知らない。こいつが何に救いを求めているのかも知らない。
「裁かれてすら、いないんだ」
だから、こいつの言葉の理解なんて出来なかった訳だ。
■届かぬ神様に手を伸ばして
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