BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

■米英 にょ.たり.あ 微妙 ( No.308 )
日時: 2011/05/02 00:00
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: uHvuoXS8)
プロフ: アクセロリータ「やべェよ! 止まんねェよ!」

■溶けた、流れた
 (もうぐちゃぐちゃよ)


 泣く彼女は乱暴だと思うのは私だけだろうか。
 「私はもうアンタの妹じゃない」と残酷な笑いを私が浮かべたら、いつもの淑女ぶりから一転、こんなに乱れてしまった。長い金髪のツインテールはゴムが解けて、ばらばらになった髪の一房が私の胸元に散らばっている。長い爪をたてようと私の腹の上で四つんばいになっている彼女は、泣くということしか知らないらしい。ぼろぼろとビー玉のような涙を零して、何も言わない。

「ただ、アリスは私を妹っていう枠に嵌めておきたいだけなのよ」

 無言。口を開きなさいってば。
 ショッキングピンクで彩った爪で、彼女の頬をつんとつついた。濡れた冷たさだけが爪に灯る。彼女はエメラルド色の瞳を大きく見開いた。そのせいで微かに残っていた涙の残滓がするりと指のラインに沿って手の甲へと流れ落ちる。
 私のピンク色の爪と彼女の涙が交じり合ったその色は、お世辞にも綺麗とはいえなかった。