BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

ほっほー ( No.349 )
日時: 2011/06/17 23:10
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: uHvuoXS8)

「××ってさぁ、冷たい時あるよねー」

 ——この文章を、疑問系で真正面から言われたことが何度あるか。


■苛立ちをパイにして全国の私愛好者の方の顔面にぶち当てたい訳でして。



 ここで勘違いしないで欲しいが、自分は基本優しさ面白さたっぷりオープンな性格だ。確かに時々、学級委員として上手くクラス内の物事が運ばない時にはイライラしたり、友達の願いや愚痴を聞きすぎたりして、怒る時はあるけど。他のクラスに話せる程度の友達がいて、派手なタイプの子ともある程度付き合えて。社会的、というよりのらりくらりと世渡りしていくってイメージの方だと思うんだけど。
 たいてい、そんな自分のことを勘違いして集まってくる子は結構いたりいなかったり。来る者拒まず去る者追わず、がモットーだから付き合いが楽なのか。大人しい子やクラスで一人ぼっちな子とも結構喋るせいなのか、は、知らない、け、ど。

(まぁ、だからこそ他の子がイライラしたりするーのですよーっと)

 ちらり、と眼前の女子を盗み見てみる。完全なる苛立ちが、無に隠しきれて居ない。頭隠して尻隠さずというよりは、私あえて怒りオープンですって感じ。知らねっス。

「冷たいって。別にそういうつもりはないんだけどー」
「いやいや、だって××さぁ、最近何か私が話しかけに行っても○○とばっかり話してるじゃん? 正直イライラする。てか○○って××のことべたべたし過ぎでしょ。まるでアタシのものですとらないでー、みたいな」

 ——うん、そう言ってるユーもべたべたしてるのさ! ……ウインク決めてそう言えたら楽なんだろうけど、チキンな自分にゃあ無理ですごめんなさい。てか早く話終わらせて家に帰りたいですごめんなさい。
 目の前のこの子は、小学校からの付き合い。最近、彼女が属しているグループの中心的人物の子が気に食わないらしく、小学校が同じだった自分に声をかけてきた。中心人物の子の悪口を言うのに長けている。いや、自分も結構あの子にしてやられてきたから、悪意に関しては負けない気もするけど。いややっぱ負けそう。負けるのが吉。

「……ははぁ、まー確かにそーゆー雰囲気? だったりするけどもね」
「でしょ? てかさぁ、××って基本へらへらしてるよね。△△の奴とか、めっちゃ地味で嫌われてんのに、××が相手してあげてるからって調子こいてにやにやしてるし」

 キ.モい、と唾棄しながら、自分に同意を求めてくる女子。
 あえて説明しておくと、○○は大人しくて背が小さい同小学校の子。可愛い。△△は——うーん。あんみゃり他の子に好かれていない、感じらしい。あんま関係ないからよく分からないけど、皆が避けてる中で笑顔で普通に挨拶とかしてたら好かれちゃってます、っていう成り行き。どうやらこの二人が、目の前の彼女の怒りに触れてるらしい。
 ……ううん、怒りに触れてるのはへらへらしてる——自分に、か。

「…………別にー、私△△のことを滅茶苦茶嫌いって訳じゃないからさぁ。それに○○のこと、確かに最近べったりされ過ぎとは思うけど、しょうがないかって思ってるしー————」

 やばい、うっせぇなって叫びそう。
 でも一応喉のとこに、そんな暴言は収めておくとして。
 さぁ思い切り笑いましょうーっと!

「補足、ユーのことはちゃんと好き。愛してる。めっちゃ愛してる。困るぐらい好き」
「嘘っぽい」

 ——はい嘘です、ごめんなさい。
 苛立ち紛れに嘘じゃないよ、と呟いて。困った笑みを体内で消化してみた。

 ……胃が「こんなの消化できねぇっス」と、弱音を吐いた。
 あぁ、胃が痛い。