BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

まーみー? ( No.351 )
日時: 2011/06/17 23:48
名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: uHvuoXS8)

 ぼっきゅりー!

「いぎゃー」
「きゃーみーくんがバッタみたいに鳴いたー!」

 バッタって鳴くのか。


■アイウォントトゥノウ、君のタンクの容量?


 気付けば腕を後ろでホールドされ足は内部で骨同士が戦争をして(つまり折れた)胃からは胃液がせり上がってきてたのでした。え、何これどういうこと作文? ちなみに僕は作文関連で参加賞以外貰ったことがない。何故なら作文といっても貰ってきた原稿用紙二枚にたった二行しか書かないからだ。新人の先生苛めではない、決して。嘘だけど。

「みーくん、みーくんっ。起きた、ねぇ起きた?」
「…………復活の呪文、唱えてくれた……とかじゃなさそうだね……」

 ぎぎぎと錆びた頬の螺子をぶっ飛ばして、一生懸命笑ってみたったたたたたttttttっづゅづづづづ!? ……結果として血の味が頬の内側に広がった。口の中が切れたらしい。『まーちゃんの手に持った木製バット』によって。『つまりどういうことかなぁ!』まーちゃんがー僕をー殴ったってことでーす! ……新入生ばりの良い子ちゃんな返事をしてみた。嘘だけど。

「……っづぇ、ま、まーちゃん。これってホワイ?」
「んー? みーきゅーん!」

 ぢゅーと唇を寄せてくるまーちゃん。違う。ちゅーのリクエストでは無く。てかリスペクトとリクエストって似てるよね! よく僕もテストでは間違え、世の中のルールに泣かされたものだ。嘘だけ、ど?
 閑話休題。
 とにかく現状として、僕は何かしらで腕と足を縛り上げられており(犯人、まーちゃん。被害者、僕のカルシウムの結晶達)、現在進行形でぼっこぼこにされ中。ここまでされて笑顔が滲み出てくるというのは、けしてマゾではない……と思いたい。思わせてくれ、鈍った痛みよ。

「てかねぇ、まーちゃん」
「んゅー? 何ー、何なにみーくーん?」
「これって……まーちゃん、何でみーくんをぼこぼこにしちゃってるんだい? もしかして俺のことが嫌いだったりするんだぜ! ……ぜ?」

 出来る限りハンサム度多めで聞いてみた。後半は疑問要素を無理に詰め込んだ結果です。
 さて、問われたまーちゃんはというと、いつもどおりの無邪気な笑顔(頬には僕のものと思われる血液付き)で、陽気に真意を告げた。

「んとね! まーちゃんがみーくんにどれぐらい悪いことしたら、みーくんがまーちゃんを怒るのかってゆー、超宇宙規模の実験中なのです。かちゃり」

 かちゃり、のところでエアー眼鏡を押し上げる動作をするまーちゃん。……あぁ、だから今まーちゃんは血痕付きの白衣を羽織ってるわけなのね。納得。

「でもでもー足をばきん! しても、みーくんは全く怒らないよねぇー? 何でー? みーくんって、」
「マゾ、では、無いからっづ……ね。あのね、理由を教えてあげるよまーちゃん。僕が、まだまだまーちゃんちゅっちゅな理由、をッ」

 途中で舌噛んだ。そっちの方が(心に)痛い。まーちゃんはくるりと大きな瞳を不思議そうに瞬かせて、僕の言葉を待つ。無言の時間が数秒だけ流れた。
 血なまぐさい唇を震わせて、言葉を紡ぐ。

「僕が、まーちゃんに怒るわけ、無いからだよ」

 とりあえず事実と理由、また事の重大さも把握したので。
 僕は盛大な嘘を、まーちゃんに吐いてみるのです。ですですー。







(嘘だけ、ど)