BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- *ろくたんからの頂き物1 ( No.451 )
- 日時: 2012/07/08 22:09
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: Wx6WXiWq)
- プロフ: もう毛がない、ろくたんささめさんの毛を飛ばすのが得意ね
教団から西に遠く離れた街で、レベル3程度のAKUMAが大量に発生しているからそれらをすべて破壊しろ、というのが、今回の任務の内容だった。
リナリーと僕だけの任務。それを僕らに告げたあと、決めた張本人であるコムイさんが大暴れしていたのを思い出し、苦笑した。
教団へ帰るための、列車内。隣にいるリナリーは、窓から差してくる夕陽に眠気を誘われたようで、舟を漕いでいる。
今回の任務は、かなりハードだった。どうして僕とリナリーだけ、と思いもしたが、理由は簡単、単なる戦力不足。
大量に発生したAKUMAは、すべて街の人々の姿で街をうろつき、僕らは常に警戒していなければならなかった。
僕はAKUMAの魂が見えるから、文字通り一目でわかる。けれど、リナリーはそうじゃない。
まだ僕が新米エクソシストだったころ、ラビに言われたことを思う。
——近づいてくる奴は全員敵だと思ってる
——オレらは、そういう世界で生きてるんだよ、アレン
もし彼が言ったことが本当だとしたら、……いや、本当じゃないとしても、リナリーはきっと僕以上に疲れ果てたことだろう。
彼女の横顔を盗み見る。オレンジ色の光が当たった白い肌は、頬にかすかな影を落とす睫毛は、ひどく神秘的で、何やら見てはいけないものを見てしまったような気分になり、さっと目を逸らした。
リナリーは、かわいくて、美しい。
仲間想いで、優しくて、だけど厳しくて実は泣き虫。
ガタンガタンと列車に揺られ、ぼんやりと彼女のことを考える。
近いようで、遠いのだ。僕なんかが手を伸ばしても良いのか、とためらってしまうほど。
不意に、彼女が座っている方の肩に重みが加わった。
恐る恐る顔を向けると、やはりというか、リナリーが僕の肩を枕にして、すやすやと穏やかな寝息を立てていた。
……ああもう全く、彼女には本当にかなわない!
僕は彼女を起こさないように、僕のコートをかけた。彼女の目が覚めていないことを確認して、僕もまた浅い眠りに就いた。
人の、——リナリーの体温がすぐそばにある幸せが、どうしようもなく愛おしくて嬉しかった。
【どうか、彼女が悪い夢を見ませんように】
そうして彼女が、また明日も、僕の傍で笑っていてくれると、それは何よりもの幸せなんだ。
- -
アレリナ/D.Gray-man
首元に伸ばされたカッターと後頭部めがけて飛んでくるキックをいなし、僕にくっついてくる秋瀬君。
と、僕には攻撃があたらないようにしながらも常に秋瀬君の急所を狙ってかわされては舌打ちする由乃。
「…っち、いい加減ユッキーから離れなさいよ秋瀬或っ!」
「僕が君の言うことを聞かなければいけない理由はないはずだよね? 我妻さん」
「とかなんとか言いながらユッキーの肩に馴れ馴れしく腕なんか置くんじゃないわよ!」
両脇から聞こえてくる二人の言い合いが怖い。本当に怖い。
おそるおそる、秋瀬君の腕が置かれた左肩を見ると、由乃がカッターで秋瀬君の手の甲を刺そうとしていた。というか既に少し刺さっていた。
これ、僕の肩に刺さったら大変なことになるな、と思った。
二人の言い合いはヒートアップし、由乃は理性を失ってしまっていた。
半端なく怖いし、かなり息苦しい。
だけど、こんなに強い二人の争いの中心が僕だと考えると、なぜか少し心地よくて。
二人には見えないように笑ってから、仲裁に入った。
【はたしてそれは幸せでした】
こんな日々が続く、そんな予知なら、従っても良い。
- -
秋瀬君→ユッキー←由乃/未来日記
なぜコイツは当たり前のように俺の膝に座っているんだ。
「おい、明久」
「なにさ」
「これはいったいどういう状況なんだ……?」
「見ればわかるだろアホ雄二」
腹が立った。
明久の頭をわしづかみにして、思い切り握る。「いだだだだ!!」わめく声がいつもより近く聞こえた。
いつも通り、明久の家でゲームをやっていたら、コイツは何を考えているんだかわからないが、胡坐をかいている俺の膝、つまり足の上だ。に、座ってきた。
尻が案外柔らかいとか妙に良い匂いするな、とかやましいことを考えるのは後だ。まずは動機を聞きださなくてはいけない。この馬鹿のことだから、どうせろくでもないようなことなんだろうが。
「なぁ、こうした理由はなんなんだ? 明久」
するとヤツは俺が思い切りつかんだ頭を、痛みを抑えるために撫でたままだった手をいったんとめ、俺と目が合うように体を少しひねり、へらっと実に馬鹿っぽく笑って言った。
「雄二の近くって、なんか、ほっとするから」
離れるな俺の理性。
【ゼロ】
一瞬で抱き込めるくらい傍にいるコイツへの、今まで抑え込んできた気持ちを自覚した瞬間だった。
- -
雄明/バカとテストと召喚獣
時折、不安になる。
今でこそ、夏目は俺たちの、俺の日常の中にいてくれているけれど、目を離せばすぐにどこかへ飛んで行ってしまうのではないか、と。
夏目は儚くて強い。抱え込んだものの大きさや重さを十分に理解しているからこそ、それを誰かと分け合う、なんて考えもしない。
ぜんぶ、たったひとりで。
不安になるのは、時折。
必死なのは、いつも。
どうか、どうか、と願う毎日だ。
——どうか、離れないで、と。
「えっと、それじゃあおれ、先に行ってる、な?」
不安になると、情緒も不安定になるらしい。
例えばそういう、学校生活の中での、移動教室の際の些細な一言や、俺に背を向けるその仕草さえ、無性に怖くなる。
思わず、夏目の腕をつかんでしまった。
俺が今まで考えていたより、うんと細くてあたたかい腕だった。
あ、しまった。
そう思っても、時既に遅し。俺は夏目の酷く驚いたような目に居心地の悪さを感じながら、そろりと手を離した。
すると夏目は、ふわりと笑って。
「良いよ、待ってる。一緒に行こう?」
途端に夏目は、儚い存在から俺と同じ身の丈の、普通の少年に変わった。
……なんだ、何も心配することも、不安になることなかったじゃないか。
【距離感】
あぁ、こんなに近かった!
- -
田(+)夏/夏目友人帳
- *ろくたんからの頂き物2 ( No.452 )
- 日時: 2012/07/08 22:17
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: Wx6WXiWq)
- プロフ: ヅラ買えば良いのk「ヅラじゃない桂だァァァァァ」
すやすやと眠るネズミを見られることは、実はめったにない。
仕事帰りの彼にベッドを譲り、少し経ったら、彼は、もうすっかり眠りの世界に入り込んでしまっていた。
彼は人の気配に敏感だ。だから、普段僕がいくら気を付けても、眠ってる彼の傍を通り過ぎただけで目を覚ます。もともとそんなに深い眠りではないこともあるのだろう。
だというのに、今日は全然だ。手を伸ばしさえすれば、簡単に彼の頬に触れられるくらい近づいても、彼は相変わらず穏やかな寝息を立てていた。
じっくり見てみる彼の寝顔は、今まで見たどんなものよりも十で、僕は今まで自分が如何に無知だったかを思い知らされるようで、美しくて。
ゆっくり、出来るだけネズミに衝撃を与えないように注意深くベッドの端に腰かけた。ネズミに目を遣ると、少しうなりはしたものの、目を覚ましはしなかった。
ほっと胸をなで下ろす。ネズミの香りが鼻腔をくすぐった。やわらかな香り。自由の香りなのか、とも思う。ゆらゆら揺れるランプの光は、いっそう夜を際立てた。
今なら。
今なら、彼にキスすることはもちろん、抱くことも、殺すことも、きっと可能だ。
でも、殺しはしない。
キスしないこと、抱かないことは、正直約束はできない。
少し思ったのは、「いっそ組み敷いてしまおうか」ということ。
体勢を変え、彼の頭の両脇に両手をついてしまえば済む話だ。
ネズミを起こさない自身はないけれど、やってみる価値はあるだろう。
彼の方に体を向け、下半身を僕の両足で拘束する。覆いかぶさり、両手を頭の脇についてしまえば、もう終わり。あっけないものだ。
彼はさすがに驚いたようで、眠たげに「……どういうことだ、紫苑」と僕に問うた。
かすれた声の色気に一瞬、くらりとする。
「組み敷いてる」
「……いや、それはおれもわかるぜ、紫苑。おれがききたいのはな……」
「どうして僕がこんなことをしているのか、だろう?」
こくりと、僕の下で小さくうなずく彼に、微笑んでみせた。
「今ならいける、と思ったから、かな」
「……お前なあ……」
自信たっぷりに言い放った僕を、ネズミは呆れたように見て、溜息を吐いた。
「明日はおれもお前も早いだろ?」
「大丈夫」
無理はさせないから。
ネズミは少し納得がいかないように唇をとがらせていたけれど、やがて諦めたように目を閉じた。
それは、キスを許す合図。
——そしてそれは、夜がくる合図でもある。
揺らめいていたランプの灯は、静かに消えた。
【深い夜】
首に回された白い滑らかな腕に、そっと欲情。
- -
紫ネズ/NO.6
昼休みの屋上が、私たちの待ち合わせ場所だ。
本来ならば立ち入ってはいけない場所なのだが、私が「ここがいい」と言って頑として譲らなかったせいか、それとも私が問答無用でドアのカギを壊したせいか、それとも両方なのかはわからないが、私たちだけは出入りを黙認されている。多分それらを理由に、プーチンがセンセーたちと上手いこと取り合ってくれたんだろう。
今日は授業が終わるのが少し遅かったため、ここへ来るのも、いつもより遅くなってしまった。
勘違いのないように言っておくが、私は不良だけれど授業を真面目に受けていないわけでもなければ頭が悪いわけでもない。
この高校、結構レベルが高いのだ。入試で結構な点を取れなければ、入れない。
中学生半ばまでは、それなりの高校でそれなりの生活を送ろうと考えていた。
そんな私が、ここに入ろうと思った一番の理由は、きっともうここにいる。
スカートがめくれるのも構わずに、二段飛ばしで駆け上がった階段の先には屋上への入り口があって、ドアノブを少しひねればあっさり開く(私が壊したのは鍵であって、ドアノブ自体を壊したのではない)。
視界に広がるコンクリートと、夏独特の青に目を細める。
この中に間抜け面の金髪は——いた。
緑色、網目状のフェンスに寄りかかって、小さく肩を揺らしている。そのリズムは一定だ。
おそらく、私を待っていたら眠くなってしまったのだろう。まだ開いていない弁当を見、推測する。
ドアを閉め、間抜け面……プーチンに近づいた。短いスカートが風にあおられても、やっぱり気にしない。
私とプーチンとの距離が三十センチくらいになって、私はプーチンを見た。
「邪魔だから」と言って、いわゆるちょんまげにされた前髪。いっつも頬が赤くて、ショートカットに切り揃えた髪を楽しげに揺らす。
そういうプーチンは、今のんきに寝ていて、私がこんなに近づいているのにも気付いていないらしい。
「……」
少しの悪戯心が湧く。
ゆっくり腰をかがめ、さらに一歩近づいて、プーチンの額にキスを落とした。
離れると、やっぱり眠っているその顔が目に映る。
やれやれ、どんだけ鈍いんだ。一旦離れようとしたら、突然腕をつかまれた。
え、まさか。
「随分積極的だね、ドキドキしちゃった」
もうずっと起きてたのか、と思うような声。
と、いうか、こいつはもしかして本当に……
「うん、ずっと起きてたよ。暇だったからさ、ごめんね」
やっぱり赤い頬で、ペロッと舌を出したこいつを殴らなかったのは、私の優しさだと言い張る。
【嘘を吐く】
恥ずかしさと照れで動けなくなった、なんてそんなまさか!
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にょた百合プーキレ/ウサビッチ
以上がろくたんからの誕生日プレゼンツでした。あ、ちょっと鼻血止まらないんでティッシュとってきますね? もうティッシュが追いついてこないぐらいの量ですけど。とりあえずティッシュがささめさんに追いついてくれば良いと思うのよ
最後のろくたんからの言葉は何かそのまま頂いときます。アタイのものさ!と鼻鳴らしてるのはこの豚です赤司様。どうぞ振り上げた鋏を下ろしながら「足を舐めろ」と呟いてください赤司様。
さてさて、閑話休題
誕生日プレゼント、有難う御座いましたろくちゃん!
別にもっと依存してくれても……良いのよ(<○>д<○>)カッ!!
貴方の大好きという気持ちに負ける気がしないのは、はてさて、何ででしょうね。私が貴方のことを狂ってるのかと思うぐらいに愛してるからでしょうか。きっとそれが真実なんでしょうね。弱くても、脆くても。それでも立ち上がって誰かのために美しい言葉とお話を生み出せる貴方のことを、私は尊敬と共に愛情を抱いています。本当に有難う御座いました!
ささめさん以外はお持ち帰り駄目ですよ。持ち帰った後にそれを言うか、ですけどね!
