BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- ■ハッピー・エンディング ( No.517 )
- 日時: 2012/09/15 22:59
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: hFu5/zEO)
- プロフ: 露→鈴
終わらせたくない物語なんて、初めてだった。
物語というのは始まりと終わりがあってこそ成立する。終わりがないそれは物語じゃない、ただの物語の成れの果て、クズとも言える。以前インタビューにこう答えると後に小説家や漫画家志望のファンたちが「酷いです!」と手紙を大量に送ってくることがあったがあれは一体なんなんだ。物語を最後まで書くことが出来ない自分の無力さをなぜ認めようとしない。みっともないそのメッセージを呆れ顔で眺めていた僕は、彼らの訴えを鼻で笑ってみせた。
——あぁ、みっともない。自分の物語を終わらせることのできない、馬鹿なやつら。
僕が一番嫌いな集団。だが自分もその一人になろうとしていることに気付いたのは、彼女の物語がラストに差し掛かったところだった。
遅かった。僕としたことが、彼女が後どれだけ一緒にいられるのかということに気付かなかった。
——終わらせたくなかった。終わらせたくは、なかったんだ。
指先で弄ぶペン先は、これからだって“僕の物語”を紡ぐことが出来る。
だがそこに“彼女の物語”はない。彼女自身が紡ぐはずだった物語はとっくにラストを迎えていて、僕がその上から新しい終わりを書き殴ってみても、意味などないのだ。
「……れい、…………」
彼女の名前を呟こうとすると、喉がぎゅっと締め付けられ、最後まで言うことが出来なかった。
僕の物語に、既に彼女はいない。
いない登場人物を動かすことなんて、僕にすら、きっと出来ない。
ぼんやりと夜空を眺めながら、僕は、終わりを迎えた彼女の物語に思いを馳せる。
(どうか、その先がハッピーエンドであって欲しいと、)
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ローソンでジョジョファイル貰ったんですけどね
ささめさん四部承太郎さん期待してたんですけどね
いなかったね。いなかったんだよ…………きゅいいいいいいいいいい