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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- アレリナsss ( No.554 )
- 日時: 2012/11/12 21:40
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: hFu5/zEO)
「……君が好きよ、アレンくん」最後に呟いたのはやっぱりそれだったよ、アレン君。だって私、貴方が本当に好きなんだもの。それは貴方が敵となってしまった今でも変わらない。大好き、大好きなの。貴方のくれるもの全部、まだ私の心の中で光り続けているわ。きらきらと光る大切な大切な宝物。それはまるで、アレン君、貴方の笑顔のようね。救いのないAKUMAたちにも、私たちのような人間にも等しく降り注ぐ貴方の微笑みのよう。貴方から貰ったもので、私の世界は構成されている。満たされている。これからもずっと、死ぬまで、大切にしていきたいの。でも駄目みたいね、その宝物は捨てなくちゃいけないんだ、と兄さんに諌められてしまった。アレン君はもう私たちの味方じゃない、そうとも言われた。私はそんなことこれっぽっちも信じていない、それは兄さんも同じだと思うわ。告げた兄さんは今にも叫んで、その肩を震わせて泣いてしまいそうだったし。隣にいたラビもすっと表情を暗くしたもの。神田なんて黙って部屋から出て行ってしまったし。どうやら、皆は先に貴方から貰った宝物を捨てちゃったみたい。未練がましくこの宝物を抱きしめていたのは、私だけだったみたいね。なぜか苦笑いが浮かんで、そしてどうしようもなく悲しくなっちゃった。皆どうしてそんなに簡単に貴方からの宝物を捨てられたんだろう。泣いたり、悔やんだり、みっともなく喚いたり、しなかったのかな。……ねえ、アレン君。兄さんたちが言うには、君への恋心も捨てなきゃいけないんだってさ。どうしてだろうね。私——捨てたくないなぁ。この両腕いっぱい抱えた宝物を捨てられるほど、私はまだ強くはなれないみたいだわ。///アネモネの埋葬
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