BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- ■亡霊の声を摘み君は大丈夫だと笑う ( No.644 )
- 日時: 2013/04/14 03:08
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: eNPK8IuO)
※表現が気持ち悪い
※不適切っぽい表現多い
(大丈夫、は残酷な言葉だ)
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「お前は何をもって俺との関係を正しいって言えるの?」と半分泣いてるみたいに叫んだ猿比古の足元には血まみれの肉塊が四つほど転がっていた。「それ何だよ」と思わず問いかけると「お前が他の女と作れたはずのガキ共だよ」と間を空けずに叫ばれる。
「お前が俺の中で中出しした回数分、こいつらは産まれるはずだったんだ、息してられたはずなんだ。なのに、お前が俺なんかで気持ち良くなっちまうから……だからこいつらは死んだんだ」
「産まれてたか、なんて……そんなありもしねェことわかるはずないだろ」
「ハァ? ふざけんなよ美咲、そうやって逃げんじゃねえよ」
猿比古の深いブルーの瞳は大きく見開かれ、それまでふらふらとしていた焦点が足元の血溜まりへと定まった。目も耳も鼻も口も、全てがそれだと確認出来ないほど無残な姿に変えられた肉塊は、ただの赤色として俺の網膜に焼きつく。猿比古は手にしていたサーベルを、躊躇した様子もなく肉塊に突き刺した。
びしゃり、赤が咲く。濃厚な鉄の匂いが鼻腔をついた。
「お前は俺を愛した分、ちゃんと誰か別の女を愛せたんだ。キスして、セックスして、そんでどこにでもありふれた家族なんてもんを作ることが出来たはずなんだ。そのチャンス——未来を、簡単に捨てたのはお前の意思だろ? みさきぃ」
かくん、と生白い猿比古の首が、まだピンク色の痕が残る首が不思議そうに折れる。どうしてとでも言いたげな瞳は、それを言葉には変えてくれない。ただただ、物言わぬまま俺を攻める。
「……俺はさ、毎日、俺が殺したお前の子どもの泣き声で死にそうになってるんだよ。死にたくなかったのになぁ、って、あの小さくてぶよぶよした手のひらで頬を撫でられるんだ。
それがどれだけ辛くて、俺がどれだけ死にたくなるかって気持ち、——嗚呼、お前には一生わかんないんだろうな、美咲」
猿比古は何でもないような顔で言う。
つらつらと、それがまるで当たり前のように。真っ直ぐに俺を見据えて、まるで今もその“俺の子ども”に頬を撫でられてるみたいに、色素の薄い肌をさらに青白くさせて、そうして花のように笑うのだ。
「なぁ、どこが“大丈夫”なの?」
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好きだけじゃ終われないのに、「大丈夫」って言葉で封じ込めて、それでお前は満足なの?って言いたい猿
同性同士の恋愛って難しいよ ファンタジーだよ;;;;