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- Re: 【色々】 トロイメライの墜落 【短編】 ( No.698 )
- 日時: 2013/07/18 22:11
- 名前: ささめ ◆rOs2KSq2QU (ID: vmYCeH12)
- プロフ: キス表現ぽいぽい!!!!ぽい!!!
「お前なら、俺を殺してくれると思ったんだけどね。緑間」
「殺すなんてたいそうなこと俺に出来るはずもないのだよ」
「はは、よく言う。あの試合の最中のお前の目は、まるで獰猛な獣のように鋭かったぞ?
俺という動物を捕食しようと舌なめずりをしている、さながら腹を減らした獅子といえるだろう」
「……一応は元チームメイトで、同じチームの主将であるお前に、そんな真似できるか」
「おや? そこで“友達だから”なんてチープな言い訳は使わないんだね、そういうところが緑間らしい。
俺は、そんな堅苦しいお前が昔から好きだった」
「敗者への甘い言葉なぞ、慰めにもならんぞ赤司」
「慰め? いいや違うね、これは純粋なる好意さ。俺はお前が好きだよ緑間。昔も、今も」
「…………」
「おいおい黙るなよ。せっかくお前の大好きな赤司征十郎がこうして愛を囁いているんだ、少しぐらいその眉間の皺をどうにかしてみせろ」
「とんだ自己愛者だな、お前は。俺がお前を好き? 何を言っている赤司、ついに脳みそが腐り始めたか」
「腐り始めたのは一体どちらの方かな……なーんて言ってみたら、やっぱりお前はそうして渋い顔をするんだろうね」
「わかっているくせにあえて言うのは、お前の悪い癖だな」
「そう、これは俺の悪癖だ。
相手の気持ちを理解していて、さらに相手がどんな行動や言葉を求めているのかを理解しているのにあえて突き放し、全く予想外の言葉を与える——そうしたら相手はとてもうろたえるし、絶望するからね。
こんなことに楽しさを覚えているんだから、これは悪癖以外の何物でもない」
そこまで言うと、赤司はふいに立ち上がり、俺の横へとわずかに歩み寄った。
そうして何をするのかと俺が凝視していると、薄っすらと頬に笑みを称え、その色の薄い唇を俺のかさついた唇へと重ねた。
キスされたことを理解した時には、赤司はすでに自分の定位置へと戻り指先で盤上の駒を弄びながら、
「……で、俺の悪癖の味はどうだい、緑間?」
耳まで真っ赤になり俯いた俺へと、悦楽の滲んだ声を響かせるのだった。
■貴方の癖を食む
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再うpですよ〜キス表現許されてるならちょっと置かせて貰います残量がやばいので