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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- 短編でもないクズ ( No.756 )
- 日時: 2013/11/18 00:32
- 名前: 節度使 ◆rOs2KSq2QU (ID: dvUrJGSo)
- プロフ: アルロスぐらいのやつ
シオンは僕の言葉を信じてくれない。
僕がいくらシオンを好きだといっても「その好きは俺を含めた大衆に向けての言葉ですよね?」と冷たくあしらわれてしまう。
「貴方が俺を好きだというのは、俺が貴方にとってかわいそうな境遇にいたからだ。貴方の中の勇者の血がそう告げているだけです。俺のことは別に好きでもなんでもない」
「ちがう、僕はちゃんとお前が好きなんだ。男だけど、そういうのを超えて好きなんだ!」
「俺とキスも性行為も出来るというんですか? 貴方のいう好きとはそういうことですよ」
「そういうことを含めての好き、なら、僕はキスでも何でもお前とするよ。でも僕は別にそういうことがしたくて好きなんじゃない」
「……貴方の言いたいことはわかりました。じゃあ別の例え話をしましょう」
「例え話?」
「ええ。もしも仮に俺が、貴方のいう好きな人である俺が、貴方に『勇者さんの持つ全てを捨てて、俺だけを愛してください。貴方が他の人に好きというのが見ていられません。辛いです』と泣きながら懇願したとします。そうしたら、貴方は全てを捨てて俺と共にどこか遠いところに行ってくれますか?」
「…………それは」
「出来ないですよね。わかってます。でも俺が言いたいことはそういうことなんですよ。本当に好きなら、愛しているならその人だけで十分なはずでしょう? でも貴方は違う。複数を愛すると同時に俺を愛しているという」
それがおかしいんですよ、とロスは言い訳のきかない子どもにいうような口調で続ける。
「ねえ勇者さん、それ、偽物ですよ」
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