BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- ■36℃未満の僕の愛 ( No.773 )
- 日時: 2013/12/28 00:54
- 名前: 節度使 ◆rOs2KSq2QU (ID: PduCEO2V)
- プロフ: 沖→→→銀
こんなおっさんの何が良いのかねぇ、とぼやくとすぐに答えが帰ってくるから面白いものだ。「アンタが魅力的だからでしょう」「いやいや、だって俺もうただのおっさんよ? しかも銀髪よ?」「そんなこと知ってまさァ」飄々と言われると反応し難いじゃないの。
真昼間から酒を飲むのは別に自分のしては構わない。だがしかしそれがおまわりさんの前となると、何故か罪悪感めいたものを感じる。結局店員に頼んだのは大好きな「苺パフェ一つ」「かしこまりました」「……糖尿病になりますぜ、あ、もうなってるか」うるさい。半目でその薄笑いの顔を睨んだ。
「よくわかんねェけど、公務員さんがこんなとこで油売ってていいのかぁー? 税金ドロボー、ってここで叫ばれたくなければ、ただちにチョコレートパフェを」
「俺の心を盗んだ恋心泥棒に言われたくねェなァ!!」
「ちょ、思い切りセンチメンタルな顔してそういうこと大声で言ってくれるのやめてくれるかな沖田クンんんんん!? ほら店員さん超こっち見てるって、ひそひそ話始めちゃったってェ!!」
「うるせー御人だなぁ」
やれやれ、と肩を竦められる。だからお前のせいなんだよこのヤローお前のマヨネーズ上司連れてくっぞこのヤロー。
がじがじと口元のストローを噛んでいると、行儀が悪いなァと今度は呆れた口調で言われる。お前にはわかんねェかもしんねーけど、最近の若い者は、と呆れるオッサンもいれば、こんな風に若者に注意されるオッサンもいるんだよ。ちなみに俺は後者だ。そこに申し訳なさは恥ずかしさなどない。
「……んで、沖田君。こんな夜更けのアダルティなお時間にこんなオッサンにご足労願ったのは何でだよ。ごめんけど銀さんで出会い系サイトのギャル並の尻軽じゃねーんだけど」
「いや、別に目的も理由も何もありませんよ旦那」
「はぁ」
「あえて言うなら、ここに来てくださったことこそが目的でさァ」
血のように赤い瞳は、光の加減で黒にもオレンジにも見える。他人よりは殺伐とした印象を受ける双眸は先ほどから機嫌よく輝いている。本当、こんなオッサンといて何が楽しいのか。
「……来てくれたことに意味はあれど、それ以上はありませんぜ」
言い聞かせるように呟かれた一言の意味は計り知れない。だが、どうやら向こうは今の何でもない状況に上機嫌だということだけはわかった。
ただし強欲で甘党な俺はそれだけではとても満足出来なかったので、はあ、と気の抜けた返事をして右手の人差し指をたてて近くのウエイトレスに告げる。
「チョコレートパフェ、3つ。こいつのツケで」
「げっ」
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それだけでいいのに、ごうつくばりだなあ