BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 俺の兄さん(原作なし) ( No.13 )
日時: 2010/07/22 15:48
名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)

13話 やっと思い出したよ



「零夜ッッッ!!」

兄さんは俺の部屋に飛び込んできた。
兄さんは俺の頭を優しくなでながら「大丈夫?」とか「どうしたの?」と、聞いてきた。

けれど俺は何も答えられない。
あの鮮やかな赤が頭の中にこびりついていてはなれない。

俺の息は荒い。
頭がグチャグチャになっていてなにがなんだか理解がつかない。
あの赤のせいでなにも考えられない。
いや。何も考えたくない。
考え始めてしまったら何かを理解してしまいそうで——

けれど俺は兄さんを見て何かを理解した。

   俺が兄さんを殺した

あぁ。そうだ。あの夢は知っている。あれは俺の記憶の一欠片だ。
俺が風邪を引いた時の・・・
そこまで何かを思い出すとあの痛みが襲ってきた。
けれど俺はその記憶から逃げるつもりなんて無い。
兄さんは俺が殺したも同然なんだ。


あの日兄さんは事故にあったんだ。


そのまま兄さんは救急車に乗った。
俺がその後見た兄さんには包帯が巻かれていた。
兄さんの身体は生きていたけれど心はあの事故のせいで・・・

けれど兄さんは生き返った。
今ここに居る。
それでも俺は兄さんを殺したのだから・・・

どうして俺はそんな記憶を忘れてしまったのだろう。

やっと思い出したよ。

その1ピースのせいで俺は記憶があやふやだったんだ。