BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 俺の兄さん(原作なし。修正版。) ( No.9 )
日時: 2010/07/22 15:37
名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)

9話 流星群と真夏の夜の夢



なかなか気持ちの悪いものだ。

俺達二人は確かに星を見に来た。
しかしだな。すぐ隣に居るのに無言のままというのはまことに気持ちの悪いものだ。

俺は普段からあまりしゃべらない。けれど兄さんが話しかけてくる。
その場合はなにも問題は俺にはない。
しかしいつも一方的に話しかけてくる兄さんがさっきっから一言もしゃべらない。と、言うか口すら開かない。

それが気持ち悪い。

いつもならずっと口を開いている。

何か変だ。
どうしたのだろう。

そう思ってちらっと兄さんを見る。
特に変わったこと・・・は、目が死んでる。
いつもはずっと何かの気持ちであふれたような目をしているのだが・・・

今は何を考えているのかまったく分からないような目をしている。

・・・?

疑問そうに兄さんを見ていると兄さんは俺に気づいたのかこっちに顔を向けた。

「どうかしたの?」

普通に聞かれた。

俺はどうもしてない。
それにそんな事を聞いてきている今でさえ何を考えているのかまったく分からない。
別に兄さんを見ていてすべてが分かるというわけではない。だからと言って何を考えているのかまったく分からない兄さんは気持ちが悪い。

「零夜?」

兄さんは首をかしげた。

「・・・?」

俺も首をかしげるしかないのだが・・・

「大丈夫?なんか変だよ。」

そういわれてもだな・・・
変なのは兄さんのほうだ。
答えようが無い。

「・・・兄さんのほうが・・・。」

兄さんは首をかしげて「二人だけだね。」と言った。

そうだ。

それよりもなぜそんなことを今更言い出したのか。それが問題である。

「・・・?」

ばふっ

「!?」

強く抱きしめられた。

なんだ!?いきなり。

俺が目を白黒させていると兄さんは言った。

「問題は誰を好きかじゃないんだよ。どれだけ好きか。なんだよ。」