BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: いちのよん(原作無し) ( No.137 )
- 日時: 2010/09/18 08:53
- 名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: iGvI5nur)
はい、更新久しぶりー。
今回はドSと王子のターン。
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1−4のメンバーは勉強会をお開きにし、解散する。
それぞれ2人ずつで帰るが、皆帰る方向が少しづつ異なっている。
それでも、彼等は2人で帰る。
決意を胸に——
第18話 王子ト姫 (桐谷&高杉)
「・・・まだ明るいね。」
桐谷が口を開いた。高杉はまだ日が長いから、と言い、空を見上げた。
それにつられ、桐谷も立ち止まって空を見上げた。
紅に、藍に包まれている、昼間綺麗な蒼を見せた空。
温かく、切ない色をした空。
だんだん空の色が暗くなっているのに気付き、2人はゆっくりと歩き出す。
「まだこんなに明るいんだから、門限もうちょい長くてもよくない?」
「あー・・・確かに。でも、啓太みたいなのがこんな時間にふらふらしてると、襲われるよ?」
「・・・・・のに・・・」
「ん?何か言った?」
「んーん。何も言ってないです。」
「?」
?マークを出して首を傾げる高杉。
それを見てフッと笑う桐谷。
「・・・あ」
「「あのさ」」
「・・・高ちゃん、どうぞ・・・」
「あ、いや啓太から・・・お願いします・・・」
さすがの王子も高杉のお願いは聞いてしまう。
高杉はドS王子兼プリンセスだからw
「・・・オレ、高ちゃんにとって・・・何?」
「・・・啓太様。」
「・・・やっぱり、高ちゃんには近い存在じゃないのかな。」
「そんなことないっしょ。啓太は俺の友達・・・つか親友だし!」
ニヘッと笑う高杉に対し、何も言葉が出ない桐谷。
高杉の顔があまりにも輝いて見えたらしく、そのまま顔を赤らめて目をそらした。
「あ・・・!高ちゃん!高ちゃんの話は?」
「え・・・あ、ああ!うん・・・あれ、もういいよ。」
「え?」
「・・・啓太さ、同性愛・・・って、分かるっしょ?それって、キモいじゃん?」
急に重苦しそうな話をしだす高杉の表情は、簡単に言うと苦笑い。
複雑そうな笑顔。
桐谷は、何が言いたいのかなんとなく分かった。
自分が愛したのも、異性ではなく同姓・・・つまり、男だったから。
「そんなことないよ。恋愛にまで人の偏見を組み入れるようじゃ、人は誰も愛せなくなっちゃうよ。」
「・・・啓太が啓太でよかった。」
2人はそのまま言葉を交わさずに家に帰る。
優しい顔して。
『門限がなければ、ずっと一緒に居れるのに——』
桐谷がボソッと放った、高杉に届かなかった言葉。
王子の独占欲は、姫の笑顔に敵わない。