BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: *一年ノ僕ラノ物語*【BL】 ( No.265 )
日時: 2010/12/23 18:17
名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: iGvI5nur)

第38話

「響と安田頑張れよーw」
「緊張しすぎてとちんなよーw」

会場に入ってから、しばらくこんな声援をかけられていた。
・・・ったく、そんなこと言ったところで、緊張するだけだっていうのが分からないかな。
とりあえず、いつものドSを思わせる笑顔(浜田談)を振りまいておく。

正直なところ、今かなり緊張してる。
何かに例えるとしたら・・・
・・・小学生の時やってた、サッカー。の、大事な試合の前みたいな感じかな。
まあ、とにかくそんな感じ。

「高ちゃん高ちゃん」
「ん、なに?」

開会式まであと15分というところで、安田が話しかけてきた。
いつもの、鳥みたいな不規則なはね方をしていない髪。
今日の安田は、いつもと比べると少し大人に見える。

「緊張してる?」
「いや、当たり前だろっ」

あまりにも当然なことを聞くから、つい吹き出してしまった。
それを見て、安田はクスリと笑う。


「そう?じゃあ頑張ろーなっ」



安田があまりにも眩しい笑顔を向けるから、
緊張の糸が切れたかこっちも思わず笑ってしまった。



____いつからだろう。
____安田の笑顔に安心するようになったのは。
____いつからだろう。
____俺が安田のことを、ただの友達と思えなくなったのは。

俺は、啓太の存在が、今までで一番大きかった。
・・・大きかったはずなのに、いつから——。


まだざわつく会場の中。
あと1分で開幕する合唱祭。
前の席の奴と戯れる安田と、俺の2つ前に座る啓太を一度見て、黙った。


そして、開始の時。

「これより、平成22年度 合唱コンクールを開始いたします」