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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: いちのよん(原作無し) ( No.8 )
- 日時: 2010/10/22 19:43
- 名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: iGvI5nur)
第5話 体育祭(良太目線)
あと2人・・・——。
俺の脳内によぎる、アイツの顔。
あと2人でアンカーにバトンが渡る。
1組のもそうだが、そうじゃない。俺が考えてるのは4組のだ。
アンカーは俺といつも一緒に登校してる男子、白井昌利。
1組と4組の間が大分縮まって、一時的に4位だった4組がいつの間にか2位にまで上り詰めていた。
あ・・・渡っ・・・た!
白井にバトンが!
俺はあと1メートル、あと60センチ・・・とどんどん縮まっていく1組と4組の間を見つめていた。
1組が4組に抜かされそう、なんてことは一切考えなかった。
「(白井抜かした!)」
パァンッ!!
ピストル的な音。・・・銃声?が鳴った。
1位は4組。白井が5センチの差で勝った。
白井は泣きそうな勢いで喜んでいた。いつもの大人しい雰囲気と違い、子供らしい無邪気な笑顔だった。
可愛かったのはもちろんだけど、何より感じたのは“いい笑顔だ”ってことだ。
太陽・・・いや、向日葵に近いかもしれない。
「(帰りに、なにか言ってあげよう。)」
俺は泣きそうな顔をしている1組のメンバーに、心の中でちょっと謝罪した。
だって最後の最後に俺が応援したのは、ヒーローとなった4組のアンカーだったから。
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