BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 俺の兄さん 2章 僕の弟 ( No.4 )
- 日時: 2010/07/14 18:08
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
2話 僕の『クセ』 下編
「キラッキラッ日差しを浴びて♪」
耳に音楽が流れ込む。
僕のケータイだ。
自分の上にあるケータイを取る。
さっきの曲は電話がかかってきた時に鳴る。
もちろんここは僕の部屋だ。
今は夜の11時をまわったころ。
さっきの曲は電話がかかってきた時に鳴る。
こんな時間に誰がわざわざケータイに電話をするのだろうか。
そんな疑問をもって電話に出る。
「もしもし?」
『久し振りだなっ!』
その声は少し低めの明るい声だった。
「久し振り。どうしたの?お前が僕に何の用があるのさ?」
少し笑い声を混じりて僕は言った。
彼は北沢 憐。幼馴染でありクラスメイト。
憐は僕よりも(僕は結構頭の悪いほうだから)はるかに勉強が出来て成績も良い。
結構気さくな奴だがあれでも素は残酷な事を言う。
そんな彼が僕に何の用なんだ?
電話の向こうの彼は言った。
『お前最近学校来ないじゃん。どうしたんだよ。』
そうか。そんな事か。
僕にとってはその質問は低脳なものに思えた。とても。
だが僕はそんな事は口にしなかった。
「・・・どうもしないけど・・・」
理由を普通に言っても何も損をすることはないのだが僕は彼に弟の話はしたくなかった。
なぜなら憐と言う男は——
『・・・弟がどうかしたのか?お前が理由もなく2日も休みなんてらしくないじゃねーか。』
憐が『弟』と言った瞬間声がワントーン低くなった気がした。
憐から零夜の話をするなんて気持ち悪い。
僕はあまり弟の話を憐にしたくない。
『やっぱりどうかしたんだ。』
彼の冷酷な低く重い声がそう言った。
電話を切らなくてはならない。という衝動に駆られる。
いや、本能的に切れ。と、何かが僕に命令する。
けれど切ってはいけない。と言う僕がいる。
『・・・そんな奴のこ——』
僕は——
俺はその言葉をさえぎった。
「黙れッ!零夜を、零夜のことをお前が口にするなァァァッ!!」
俺はそう言ってケータイを投げた。
ケータイは投げると壁に「バッコンッ」と音を立てて当たると「ゴンッ」といいながら床に落ちる。
「ァああああああ゛ッ。」
俺は頭をかきむしる。
長い金髪がぼさぼさになった。
自分の二の腕に爪を立ててしまう。
イライラを越えた感情。もはや感情と言うより半、我を失っている。
再び音楽が鳴る。
「あ゛ーーーーーーァッ。」
俺には今にもあいつを殺してしまいたいという感情が芽生えていた。