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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 俺の兄さん 2章 僕の弟 ( No.8 )
- 日時: 2010/08/04 15:08
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
6話 僕の『叔母さん』上編
窓辺の季節には少し早い風鈴が鳴っている。
「・・・ぐっわあぁぁぁぁぁぁっかんねー」
そう言って僕は頭をかきむしった。
・・・と、言うのも今、僕は勉強をしている。
期末テストが来週あるからだ。
僕の通っている学校では1学期は2回テストがある。
そのため頭の良い方ではない僕は、学校へ行かない分こうやって勉強をしなければならないのだが。
解らない。
僕は特に数学が苦手だ。
だから数学をやっていたのだがまったく解らない。
何が解らないかって全部解らない。
授業はちゃんと聞いてる・・・つもりなのにまったく解らない。
恨めしく教科書をにらむ。
「・・・」
にらんでも教科書は何も言わない。
「・・・」
そのまま数秒たったときだった。
誰かが僕の部屋のドアをノックする。
「・・・兄さん?」
そう言えば今、家には弟しか居ない。
僕は椅子から立ち上がってドアを開ける。
「どうしたの?」
僕は聞いた。
「・・・叔母さんが来たよ。」
彼はそう言った。
僕の家には月に何度か叔母さんが来る。
母も父もいないから叔母さんが僕らにとっては保護者だ。
本当は同じ家に住むべきなんだろうけれど叔母さんは世界を飛び回ったりする仕事をしているから、思うようにはならない。
「わかった。今行く。」
僕はそう言って部屋の電気を消した。
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