BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.17 )
日時: 2010/07/30 17:06
名前: 月女神 (ID: NXpyFAIT)

彼方編 第1話

俺様が甲斐に帰ってからだ。

「だーから、ダメって言ってるでしょうが」
「会わせて下さい、どうしても! どうしても!」

佐助が玄関でなんかやってる。
見ればそこには、おっさんの姿がある。必死に何かを言っている。

「どうしたんだ? 佐助」
「ん? なんか、旦那に会わせてほしいんだって。どうしてもさぁ。こっちは心配なんだよ」
「ふーん。おっさん、諦めたら?」

俺様が言うと、おっさんはすごすごと帰って行った。
危ないものだね、首なんかを取られたらたまったもんじゃないよ。
俺様だって、この城に住まわせてもらってるんだから、それなりの事はしないとね。


*****

その日の夜だった。
ギシッ、ギシッ、と床がきしむ音がした。
流石の俺様でも目が覚めるよ。
何事かと襖を少し開いてみれば……。

「ふふふ、俺をナメるなよ」

昼間のおっさんが、佐助の部屋の前で何かをやっていた。
チョイ待て、そこの部屋は確かに佐助の部屋だ。でも、幸村の旦那の部屋でもあるんだ!

「呪術、影縛り!」
「な、体が!!」

俺様は苦無を持ち、おっさんの前に姿を現す。
おっさんは箱を持っている。
何だ? 爆弾か?

「貴様、忍びか!」
「あったりぃ〜。という訳で、そこの部屋は立入禁止だよ。さっさと帰ってね」

だが、帰ってくれる素振りは見えない。
これは本気で、何かをやらかすつもりだな。されるかよ!

「闇よ」

ビク、とおっさんが震えるのが見える。
俺様は思わず、笑ってしまう。

「我が名の影により、闇を呼び、引き寄せ、我が手足となれ。夜闇を喰らいつく程の闇よ、今此処に」

詠唱ほど面倒な物は無いね。ヤダヤダ。
でも、これで人が守れるなら、良いね! 全然OKさ!

「闇術————黒鴉!」

黒い鴉が、おっさんに向かって行く。
闇がおっさんを包んだ。やったね、俺様の完全勝利!
その時だった。

「な、何?! 一体何?!」
「何事でござるか?!」
「あ、」

幸村の旦那と佐助が起きてきた。
やばーい、見られた。

「あ、のー、えーと…」
「真田幸村、覚悟ぉぉ!」
「?!」

おっさんが箱を投げつけた。
危ない!


ゴッ!


「でっ」

そして、ドサッ。倒れる。
あぁ、痛い。うー、当たり所が悪かったかな。
とりあえず、こいつは処理しとこう。

「喰らえ、闇よ」
「ぎゃ、ぎゃぁぁぁぁ?!」

そして終わる。

「おい、彼方。大丈夫か?!」
「彼方殿、しっかりするでござる!」

え、と。あれ? 何だろう。


「あんたら、誰?」

分からないや。