BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.21 )
- 日時: 2010/08/02 12:01
- 名前: 月女神 (ID: TLzqUYoL)
彼方編 第5話
あぁ、今日も一日が終わる。
でも、謎だ。何であの人達は俺様の為に必死になっているんだろう。
俺様は何も、あの人達の事を知らない。名前ぐらいしか、だ。
しかも今日知り合ったばかりなのに、あんなに必死にならなくても良いだろう。
お、縁側で佐助さんを発見。
満月を見ながら、愁い顔。絵になるねぇ、本当。悔しいよ、オリジナルめ。
「佐助、さん」
「あぁ、彼方」
俺様は何となく、佐助さんの隣に座った。そういう気分だったんだ。
佐助さんは、苦笑いをしながら語ってくれた。
「何か、前にもこういうのがあったんだよな。何だろう、思い出せない」
「昨日の事?」
「へ、あ、ハイ。そうです。昨日のあの———、なんか、あったの」
頭に箱がぶつかったと思ったら、いきなり自分の事が分からなくなってさ。で、必死に思い出したら大事な部分が欠けた。
こう、心にぽっかり穴が開いた気分だ。
特に、悲しそうな佐助さんの顔を見てると、心が痛む。何でそんなに悲しそうなのさ、俺様の性なの?
「あの、俺様が何かしたんですか?」
「どうしてそう思うの?」
「だって、泣きそうなんだ。そう見える」
すると、佐助さんは笑った。
そして、俺様の髪をぐしゃぐしゃとなでる。
あったかい。お母さんみたいだ。俺様は今まで独りで生きてたから、家族なんていう存在知らなかった。
「佐助さんの手、暖かい」
「そう? そんなものだよ」
でも、ぐしゃぐしゃにするのは止めてくれ。
俺様は、佐助さんの手を振り払う。
「何で、そんなに優しいんですか? 俺様に優しくしても、嬉しくないっ……」
すると、佐助さんは俺様の肩に頭を乗せて、小さく言った。
「決まってるじゃん」
「 」
そして、去った。
俺様は、聞き間違いかと思った。
「好きだから」
「嘘、だろ」
涙が出てきそう。
嬉しいのか、悲しいのか、怒りたいのか分からない。
でも、ただ言える事は……。
「思い出した」
佐助に幸村の旦那、政宗、小十郎さん。お館様。BASARAの皆。全員思い出した。
そして、一つ気付いた。
「俺様、どうかしてるって」
笑いがこぼれる。
あぁ、本当可笑しいよ。笑っちゃうよ。
俺様、佐助の事が好きなんだ。