BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.22 )
- 日時: 2010/08/03 20:08
- 名前: 月女神 (ID: ok2.wYGL)
彼方編 第6話 【幸村視点】
彼方殿はまだ記憶を思い出さぬか。うむむ、どうすれば良いだろうか?
頭を思い切り殴るか? それでは彼方殿に致命傷が……、佐助にも怒られる。
じゃぁ、どうすれば良いか。そう考えていると、縁側で彼方殿を発見する。
「彼方殿」
「幸村の旦那…」
ん? 普通に名前を呼ばれたような…。
まさか、思い出した?
「記憶喪失になってたらしいね。ゴメン」
「あ、思い出したでござるか?!」
「? うん」
おぉ、それはそれは! なんと嬉しい事だ。
某は彼方殿の隣に腰を下ろす。
彼方殿は満月を見ていた。何か悩み事でもあるのだろうか。
「どうしたでござるか?」
「何でもないよ。 どうして?」
「愁い顔をしている。悩み事なら聞くでござるよ」
あ、目をそらされた。
某でもム、としてしまうぞ。彼方殿、こっちを向け。
無理矢理にでもこちらを向けさせると、彼方殿は泣いていたでござる。
胸がチクリと痛む。何故? 何故、こんなにも苦しくなるのだ。
「何で、泣いてるでござるか?!」
「汗だよ、汗。大丈夫だか、らっ……」
ますます、泣いてしまうでござる。
どうすれば止まるか考えていたら、体が行動をしていた。
彼方殿をいつの間にか強く抱きしめいていた。
「?! ゆ、き…」
そして、思いもよらぬ言葉を口走る。
「好きだ」
「え?」
「彼方殿が、好きだ」
止められない。思いはドンドン胸をあふれる。
彼方殿は、収集がつかないような顔をしている。
「え、ちょ、幸村の旦那? 俺様は…」
「男、でござるな。知っている」
「何故それを?!」
抱きしめれば、それぐらい嫌でも分かる。
「……少しさ、考えさせて。お休み」
彼方殿は某から離れていく。
手を伸ばしても、掴めない手。
もどかしく、感じた。
*****
どうしよう。どうしよう。
2人? いや、3人だ。告白されたのは。
いやいや、嘘でしょ。俺様は男よ?
だから、有り得ないって。
でも、幸村の旦那に抱きしめられた時、安心したのは何故だ?
きっと、幸音の旦那と似ていたからだ。