BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.56 )
日時: 2010/08/18 09:44
名前: 月女神 (ID: kr6JxJj2)

思い交差編 第3話 【佐助視点】

彼方、一体どこに行ったんだよ。
何電話で別れを告げてるの? 俺、やっと自分の気持ちに気づけたのに。
何で、何で俺らの前から消えるのさ。

「こんなの冗談にならないよ……」

無慈悲な夜空。つかめやしない、星に手を伸ばす。
涙を落しても、あの星達は俺らを見ても何も思わないだろうね。

『え? 彼方が消えただぁ? そりゃ一大事だ。あいつには色々世話になっているしな』

幸音は元千代に連絡をして。

『……フン、彼方がいなくなろうが我には関係n「日輪を叩き壊すわよ?」協力しよう』

紅羽ちゃんはあの元喜を脅し。
皆、彼方を探しているようだ。あの凜音って奴も小太郎って奴も、独眼竜の旦那も真田の旦那も。
そして、俺も。

「佐助……」
「旦那。どうかしたの?」
「うむ。先ほどの幸音の言葉に少し引っかかってな」

どの言葉だ。

「彼方殿は、某か佐助のどちらかが好きと言った。では何故、彼方殿が消える必要があるのか?」

その問いに答える声が現れた。


「そういう性格だからよ。あの子の」


銀髪が目に入る。あぁ、紅羽ちゃんか。
紅羽ちゃんが、俺らに告げた。
後ろから幸音が出てくる。

「彼方は好きな奴が一番に幸せになるようにするでござる。
昔からそうだ。彼方が好きだった人に他に好きな人が現れたら、すぐに離れる。
そいつの記憶から、彼方が消されるまで視界から消える。それが彼方だ。
去年、彼方と大親友だった女子がいたのだが、彼方はどういう訳か、その女子を好きになった。
だが、彼女には他に思っている人がいる。
彼方はその女子の前から姿を消し、記憶を消したという訳だ。

大方、彼方は好きな人が他の奴を見ていた所を見てそう思い、姿を消したのだろう」

幸音の言葉が、鼓膜を刺激する。
そんな、じゃぁ、彼方はそいつの幸せを願って…?
本当に好きな奴の元に行けるように?

「……っざけんなよ」

震える声が辺りに響く。
ふざけるな。何が幸せだ? 自分を押しこんで、姿を消すか?

「皆ゴメン。俺、少し出るね」
「佐助! どこへ行く!」
「……。待ちなさい、迷彩服の忍び!」

呼びとめたのは紅羽ちゃん。
そして差し出したのは、携帯電話。

「連絡取りなさいよ。幸音に電話しなさい。私の友達であるゆっきーを泣かせた罪は重いってあのバカに言っておきなさいよ?」

ちょっと酷い言い様だ。
だけど、有りがたい。これはこれで助かる。


「じゃ、行ってくるね」


*****

「今何してるの、何したいの、俺はここだ〜…♪」

月夜が綺麗だ。
俺様は好きな歌手である初○ミクの曲を口ずさんでいた。

「メッセージ伝えるよ、愛してた、いや愛してる……♪」

「何をしている。貴様」

……え、まさかの


「かすがちゃん、登場?!」


それはないぜ、どうなるの俺様。


※彼方が歌っていたのはミクのVOICEです。作者も好きです。