BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.60 )
- 日時: 2010/08/17 13:41
- 名前: 月女神 (ID: pk2OclHY)
思い交差編 第5話
越後の夜
ここは静かだ。色々と静かで良い。
「かなた。かなた、いらっしゃいますか?」
「ハッ、上杉殿」
俺様は上杉の旦那に呼ばれ、姿を現す。
俺様はここに一週間いる予定。そうすれば甲斐の奴らは忘れるだろうね。
旦那は無理かな。結構メールしてるから。
せめて、旦那にだけは忘れてほしくはないんだよ(汗
「して、何用で?」
「あなたは、あのときここにいっしゅうかん、いさせてほしいといいましたね」
「……あぁ」
——あなたは?
——頼む。甲斐から家出してきた。もう帰れない。
——かい……ですと?
——ここに、一週間ほど居させてほしい。その代わりに、何でもやる。
——この俺様、猿影彼方が約束しよう。いさせてもらう代わりに、好きなだけ俺様をこき使ってもらって構わない。
「さきほど、かいとどうめいをむすんだときにでてきましたが、すみません。わたしのめいれいで…」
「大丈夫ですって。俺様は全然気にしていません。あいつらの元気な姿を拝めただけで十分です」
そう言って、俺様は笑って見せた。
上杉の旦那も、そして隣にいるかすがちゃんも笑っている。
「なぜ、かいからいえでをしてきたのですか?」
上杉の旦那の問い。
チクリとした痛みが胸を刺す。
「好きな人の、幸せを思い家出をしました。その人と、幸せになってほしいんです」
「どうして、そう思う?」
「……え?」
かすがちゃんが質問をしてきた。
なんか難しい質問だな、おい。少し考えちゃうぞ?
でも、答えは案外簡単に出た。
「だって、片思いは苦しいばかりじゃないですか。その人に好きな人がいないならまだしもいたら迷惑がかかる。
だから、俺様は離れるようにしたんです。幸せになれるように、その人の元に行けるように」
その願いは、叶ったのだろうか?
あの川中島の時みたいに、悲しい顔をしないでくれよ。
俺様も、悲しいんだ。
でも、あともうすぐで帰れるから。
忘れていて。俺様が好きな人。
猿飛佐助。
***** 【佐助視点】
あぁもう。何で越後になんかいるのさ。
迎えに行くの、大変なんだよ。
それに、何で俺を見て悲しい顔をしたの?
見たくないよ、そんな表情。笑ってくれた方が良いよ。
俺さ、もう何もいらない。あんたさえいてくれれば良い。戻ってきてくれるなら、死んでも構わない。
さよならなんて言わないで。
「彼方ぁぁぁぁああああああ!!!!!」