BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.78 )
- 日時: 2010/08/19 16:26
- 名前: 月女神 (ID: Hsu/pkT7)
【死ねない少女のお話】
うちはどこにいるの?
だれにからだをいじられてるの?
こわいよ。たすけて。
『お前を、ここから逃がしてやる……っ!!』
焼けた故郷に別れを告げて
紅葉の手に引かれ走り去る
未だ見ぬ未来への不安など
感じる暇などありもせず……♪
*****
あの、狂ったのが優奈ちゃんか?! 有り得ないんですけど。
戦いを楽しんでいるかのようなあの瞳。考えられない!
「おい、おーい。大丈夫か? ショック受けた?」
誰こいつ、政宗?
「始めまして、王良空華です。気軽に空華って呼んでね☆」
「碧夜リオンだ」
「優羽っす」
あ、こいつら脱走してきたな。
すると、政宗似の空華って奴が
「あいつさ、止められるかい?」
と、訊いてきたのだ。情けない。止めろよ、自分で。
リオンって奴は腰に刀を吊っているし。優羽って奴は素手? 空華も素手だけど。
「止めらんない?」
「無理かも」
「だーよなー。ね、そこのお忍び君! その甲賀手裏剣、貸してくれないかな?」
空華は佐助から手裏剣を借りると、巧みに操り、優奈ちゃんを捕らえる。
こいつ、忍びか?
「優奈ー、優奈ー。俺達、もう平気だからー。ねー、聞いてるのかな?」
「黙れこの女たらし! あんた、ここの研究員の女の人に捕まったんでしょうが! ここで殺してやろうか!?」
「何故それを?!」
バカだ。カッコイイと思ってしまった俺様がバカだった。
すると、その空華って奴は煙幕を出し、その場から全員を連れて逃げだしたのだ。
どんだけー。
*****
BASARA学園、男子寮。
「ふぃ〜、危なかったぁ〜。ま、来てくれた事には感謝感謝」
「ありがとう」
素直にお礼を言われると、少し照れるな。
何の働きもしてないんだけど、良いの?
「まぁ、俺が異世界にいるお前らに手紙出したのね。んで、おまけまでついてきちゃうとは、運が良いもんだ!」
「おまけ扱いですか、俺らは!」
佐助が叫ぶのが聞こえる。
空華はあはは、と笑っていた。のん気だな、おい。
「まぁ、それよりも! このままいさせても時空が歪んで帰れなくなるから、帰ってもらうからな☆」
「え、ちょっと待って! オチは? オチは?!」
「んなもん、あるかよ。さっさと腹を決めろ!」
リオンって怖い! Sなのか、こいつは!!
「皆、ありがとうございました。うちの事、忘れないでね!」
優奈ちゃんの笑顔が光って——
*****
奥州
あっちい。ものすごく暑い。
「なぁ、佐助」
「ん?」
「あれ、夢オチ?」
佐助は驚いたような表情をすると、ふ、と笑った。
何故笑う。
「現実だよ。ほら」
佐助から、白い鎌を渡された。
こりゃ、銀神じゃないか。何故ここに?
あ、文字が書いてある。
『あなたに、絶対無敵の強運を願います』
「ははっ」
思わず笑っちゃったよ。
何これ、口で言ってほしかったな。
「んじゃま、帰るか。旦那ー、行くよー」
「うむ! 幸音、帰るぞ!」
「待たれよ、幸村!」
「ハイハイ、帰りましょー」
また会えると良いな。
【 いつまでも、ずっと、見ていますよ? 】
死ねない少女のお話、完
次回
え? まさかの新キャラ参戦で佐助の浮気疑惑?!
新キャラの名前
零『ぜろ』
性格は寡黙。いつも筆談。筆談の時だけ、テンションが高い。
能力は銃。何丁も隠し持っている。
織田軍からの逃亡者。
片眼を眼帯で覆っている。
[次回から活躍するよ☆ よろしくね(^O^)]