BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.89 )
- 日時: 2010/08/22 18:42
- 名前: 月女神 (ID: EV6MzidG)
織田決戦編 第2話
あぁ、俺様捕まったんだ。
最後に見たのは、あの紅色に輝く瞳。有り得ないほどに毒々しい。
怖かった。あんなのに怖がっていたら、忍び失格だな……。ハハッ。笑えない。
零に裏切られた。
「くそぉ……。零ぉぉ!」
地下だから、俺様の声は聞こえない。
*****【零視点】
どうしよう。皆を裏切った。
でも、これで良かったのかな? 僕は幸せになれるのかな?
なれないよね。
僕は今まで、体に爆弾をつけられていた。何かあれば、即座に爆破。国も全部焼けて、僕も死ぬ。
命が惜しかったんじゃない。国がなくなるのが怖かった。
だから、彼方を連れて行って正式に抜けてきた。
「帰れないよ。甲斐なんかに」
帰れない。皆に、何を言われるか分からない。
でも、帰りたい。皆の所に帰りたい。
そう思っていたら、いつの間にか甲斐についていた。
皆、いるだろうか。
[皆、いるのかな……]
こんな僕だから、きっと受け入れてもらえないだろうな。
前言撤回。こいつらバカなの? アホなの?
「良く、帰ってきたね。零?」
[えーと、怒ってるんじゃないの?]
皆、ニコニコしてて怖い。殺されるかも。
特に、佐助から。
[僕、僕ね、彼方を連れて行っちゃって…]
「分かってるよ。ついでに言うならば、国を守る為に彼方を連れて行ったって事も」
何で分かったの? ハッ! 爆弾か!
「ねぇ、何で織田についたの?」
[脅されたの。お母さんとお父さんを餌に。でも、2人とも殺された。首輪として、爆弾もつけさせられた]
「へぇ、で?」
[仕方なかったの。甲斐の国を火の海にしたくないし、皆を殺せなかった]
それに、信長は彼方を欲しがっていた。だから、殺す事は出来ないだろう。
分かってる。でも、僕は死んだ方がいいね。
そう思い、銃を取り出し、自害をしようとしたら…。
斧が飛んできた。
「?」
「ここで、死のうとするな」
お館様だ。
[こんな僕、生きていても意味がないでしょ?]
「人は、必ず理由を持って生まれてくる。お主は今、生きなければいけない」
[どうして?]
「彼方を助ける力となってほしい」
あぁ、僕は必要とされているんだね。
分かったよ。僕の生きる理由は……。
[織田信長の所まで、案内します。どうぞこの零をお使いください。必ずや、彼方を助けて見せます]
彼方、待っていて。
助けに行くからね。