BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙」 ( No.98 )
- 日時: 2011/02/17 21:56
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
織田決戦編 第7話 【零視点】
「ほう、零よ。戻ってきたか」
僕は魔王の前にいる。
覚悟を決めた。この手で、魔王を葬る。
たとえ、この命に代えてでも皆を守って見せる。
「魔王、殺しに来た」
「出来るのか? お前ごときに」
出来るさ。僕は、鬼神。
人を殺す者。
魔王の持つ銃が、僕に向けられる。
そんな銃ごときに、僕が殺せるはずがない。僕だって銃使いだ。
同じように、僕もショットガンを向ける。
相撃ちか? よけられる保証はない。
「死ね」
魔王の指が引き金に触れ、引かれる。
銃弾は僕の頬をかすめ、壁にぶつかった。そんなへっぽこの銃弾が当たるか。
僕は引き金を引き、魔王の兜に命中させる。
「次は目だ」
「フン、そんな銃ごときに余は殺せない。あの世で泣き叫べ」
「それはお前だ。魔王」
ショットガンじゃ倒せない。
機関銃で殺すしかないか。もしくは、この城の天守閣ごと爆破するしかない。
ならば、この階だけ封鎖するか? そんな時間はない。
それに、僕は接近戦は好みじゃないし得意じゃない。刀なんか使えないし。
僕の攻撃で全てが、決まる。
彼方達の平和も、この世界の平和も、決まるもの。
僕の命は惜しくない。何度も人を殺してきた。
「やぁぁぁ!!!!!」
僕は魔王に向かって走る。
魔王は銃を捨て、刀を振りかざした。その切っ先が僕の腹部に当たる。
僕は咄嗟に蹴りを入れる。魔王は呆気もなく、吹っ飛んでしまった。
だけど、腹部から血が流れている。もうすぐ死ぬかもしれない。
これで良いんだ。
これで、母さんの所に行ける。
戦わなきゃ。最後まで、この命が尽きるまで。
「僕と共に死んでゆけ、魔王!」
その時だ。
「零ぉぉぉ!!!!!」
僕の名前を呼ぶ声。
彼方? 皆が来てくれたの?
「さようなら、彼方」
ガァァァァァン
パタ、ボタタタタ。
僕の弾丸は、魔王の頬をかすめて。魔王の弾は、僕の胸を貫いた。
彼方達が目を見開いて、僕を見る。
「か、なた……」
彼方、彼方。僕は死んでしまうんだ。
「零、お前……!」
「彼方、ゴメンね……。僕は、死んでしまうんだ…」
彼方が僕を抱きかかえて、泣いている。大粒の涙を流している。
「彼方、最後に1つだけ、聞いてくれる……」
震える手で、彼方の頬をなでる。
彼方の温かい手が、僕の頬を包んでくれた。
「愛してた……。誰よりも、何よりも、命をかけても良いって思う程に、愛していたよ」
愛する人に、僕の思いを伝えた。
あぁ、もう何も思い残す事はない。
大好きだったよ。