BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.102 )
- 日時: 2010/11/10 14:50
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
銀猫編 第4話【紅羽視点】
遠くに銀髪が見えた。
私の先祖、竹中半兵衛が攻めてきたのだろう。白い馬に乗ってやってくる。
こんな時が、いつか来ると思っていた。でも、早すぎる。
そんなでもないか。
「あーぁ、いるいる。ものすごいいる」
佐助さんが目で見て、ため息をついていた。
豊臣軍が攻めてきたのは、きっと甲斐の国土を目的をしているだろうね。
そんなのは嫌だ。私は、甲斐が気に入っているの。
豊臣なんかに渡してたまるもんですか!
「佐助さん、銀をよろしくお願いします!」
「え、ちょ?!! 何しに行くの、紅羽ちゃん!」
いつの間にか、私は駆けだしていた。
豊臣を止める? そんなバカな事は、私はしない。少なくとも、どこかの誰かさんみたいな真似は。
じゃぁ、何をする為に駆けだしたのか。何をする為に、仕込み傘を持って外に飛びだしたのか。
私は一応女の子なの。戦うってのは以ての外だけど、今は戦国。そんな事は言ってられない。
甲斐を守るんだ。
———— 紅羽ちゃん!!!
*****【視点無し】
「慶次。どこに行くの?」
寧は、馬に乗って走る慶次に訊いた。
慶次は苦笑を返し、答える。
「豊臣を止めに」
「1人で?」
寧の問いに、慶次は笑う。そして真剣な表情で、寧に言った。
「寧。甲斐に行って、彼方達に知らせてこい」
「何て? まさか、1人で全部止めようとしてるの?」
そうだよ、と言うように慶次はうなずく。
寧の顔が強張った。
慶次は自分の主。何が何でも、死なせる訳にはいかない。
しかし、当本人は行く気である。武器の超刀も持たずに、説得しに行くつもりだ。
寧は首を振った。
「嫌、うちも行く。慶次を殺せない!」
「寧。お願いだ」
「嫌! 慶次が何て言おうと、うちは慶次を守るの、何があっても絶対に!」
寧は立ち止まって、慶次に向かって叫んだ。
すると、慶次は超刀を寧に渡し、にっこりとした笑顔で言った。
「俺は死なない。絶対に、何があっても死なないから。せめて、甲斐に伝えてくれ」
そう言い残すと、慶次は馬を走らせた。
寧はその場にとどまり、地に崩れ落ちる。そして、震える手で、空中に指を滑らせた。
ピピ、と軽い電子音が流れ、翔の姿が映される。
「どうした、寧」
「翔……。お願い、慶次を止めて……」
消えそうな声で、寧は言う。
翔は首を傾げ、寧に訊いた。
「どうしてだ? 前田慶次が勝手な行動を起こしたか?」
「1人で、豊臣を止めるって……。でも、1人じゃ……」
心配するな、と翔は言う。
「こっちには彼方達がいる。何が何でも、慶次を止めるさ。問題は、紅羽なんだが」
「紅羽ちゃんが?」
そうかしたの、と訊く前に翔は答えていた。
「1人で、豊臣を壊滅させに行った」