BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.104 )
日時: 2010/11/18 13:58
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

銀猫編 第6話【視点無し】
※残虐表現あり。注意!

「ハァ……。ハッ、ハァ……」

周りには敵の群れ。そして、死体の山。
紅羽は、大きく息を吸い、また敵に斬りかかる。曇天を彩る、鮮やかな血の色。
そしてまた、紅羽の髪を濡らす。
あとどれほど斬れば、甲斐は守れるのか。あとどれほど殺せば、皆を守れるだろうか。
今の彼女には、分からない事だった。

「……竹中、半兵衛……。絶対、許さないんだから……ッ!!!」

紅羽は、消えそうな声で叫ぶ。
白刃が煌めき、赤い血がまた、曇天を舞う。


*****

翔は焦っていた。
前田慶次を止めるべく、戦場に来たのだが、慶次が見当たらない。
たまに斬りかかってくる兵士を蹴りで気絶させ、また戦場を駆ける。駆ける。駆け抜ける。
瞳には焦りの色がにじみ出ていて、走る足取りも速くなってきている。

「クソ……」

翔は、舌打ちするように言った。

「クソ……、クソォ……」

曇天には、壊れた日の光が見えた。
同時に、1つの影が翔の目の前に降り立つ。
鴉の羽を散らし、ふわりと降り立った奴は男。顔は完全に仮面で覆われていて、分からない。
男は腕組みをしていて、背には対なる忍者刀を持っていた。

「風魔、小太郎」
「探した」

短い単語を、風魔は吐く。
翔は首を傾げて、風魔に問う。

「どうして、俺を探していた? 誰か、呼んでいるのか?」
「呼んでいる。1人、銀髪の女の子」

すると、後ろから出てきたのは綺麗な銀髪をした女の子だった。
その子を見るなり、翔は目を見開き唇を震わせて、言葉を紡いだ。

「お前は、……」


*****

「呪術、影縛り!」

戦場に高らかと響く、彼方の声。敵を闇に縛りつけ、赤い化粧で飾り付けをする。
彼方は、手に持っている大手裏剣を巧みに操り、敵をなぎ倒して行く。
見つけるは2人の仲間。紅羽と幸音だ。

「旦那! 紅羽ちゃん! どこ行ったんだよ!」

答えてくれるものは居なく、敵ばかり。
すると、目の前に銀影が駆け抜けた。血で染まった両腕に銀髪。まさか……?
目で追えば、敵に紛れて見えなくなる。

「紅羽ちゃん!」

彼方は、銀影を追った。
しかし、彼の見た銀影は、紅羽ではなかった。

「君は————!!!」

確かに、そこに紅羽はいた。しかし、敵に囲まれて今にも殺されそうな勢いだった。
その銀影は、長い銀髪を持つ長い槍を持った少女だった。
少女の変わっているところは、猫耳と猫の尻尾をつけているところだった。

「「誰……?」」

紅羽と、彼方の声が重なった。


※次回、銀猫編終了!