BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.12 )
日時: 2010/08/30 19:22
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

孤独編 第1話

「え、任務ですか? 俺さ…っ、違う。俺が?」
「うむ、そうじゃ。つーか、彼方一人称変わったな」
「あ、ハイ。佐助と被るんで」

そう、俺様は俺に変換。だって被るでしょ。
で、今の話はお館様から任務の話が出ている。え? どういう任務かって言うと。

「それは一体、どういう任務でして?」
「豊臣が動き出した」
「へぇー、あのお山の大将を気取っているゴリラですか…」

思わず本音が…! ゴメンなさい、豊臣。
悪気はある!
話を戻すと、俺1人の任務であり豊臣の動きを探ってこいと言っている。
と、なると…

「皆にはしばらく会えない…ッスよね?」
「そういう事になるな」

やっぱり。
でも、良いさ。それで皆が平和に導けるのならば、俺1人の命ぐらい、どうって事ないさ!

「出発は今夜だ。頼んだぞ、彼方」
「了解」

早い方が良いんだね。


*****

「え? 任務?」

紅羽ちゃんが眉をひそめた。

「どこによ?」
「豊臣。どこに進軍するか、探ってくる」
「危ないわよ」

紅羽ちゃんの綺麗な顔が歪んだ。
大丈夫だよ、絶対帰ってくるから。何が何でも、帰ってくるから泣きそうにならないで。
旦那じゃあるまいし。

「ゆっきーには、言ったの?」
「言ってない。だって、旦那に言ったらついてきそうじゃない?」

そうだけど…、と紅羽ちゃんが言い返そうとする。
俺は、紅羽ちゃんに笑顔を向けた。

「お願い、言わないで。頼み事を最後までやってくれる紅羽ちゃんだけに話したんだから」

紅羽ちゃんは、泣きそうな顔から笑顔になる。

「分かったわ。誰にも言わない」
「ありがと。絶対帰ってくるから、さ。待っててね☆」
「死んで、ゆっきーを泣かせたら地獄の底までついて行って半殺しにするから」

うわー、これは本当に帰らないとまずいな。

「おーい、彼方。聞いたぞ☆ 任務に行くんだってな」
「うわ、聞いてたのかよ。元千代」

背後から元千代が現れた。
何か、ドンドン広まっていく。もう嫌だ。さっさと出発しようかな。
すると、元千代が俺に何かを押しつけた。

「?」
「これ、お守りだっ! 大事な時に身につけると絶対成功するぜ!」

これは、彼なりの心遣いなのだろうか。

「絶対死ぬなよ。お前を心配してるのは俺だけじゃない。竹中も心配するし、言ったら皆心配する。だから、絶対帰ってこい」
「言われなくても、そうするつもり」

元千代から受け取ったのは、銀色の碇の形をしたペンダント。
関係なさそう、だけど嬉しい。

「さんきゅー。んじゃ、行ってきます」
「「行ってらっしゃい」」

満月の晩、俺は大阪に向けて旅立った。


*****

「大丈夫かな、彼方君」
「平気なんじゃないの? あいつだぜ?」

元千代は満月を見ながらつぶやいた。瞳はまっすぐに彼方が去った方を見ている。
紅羽は元千代の足を踏みつけた。

「痛ぇ! 何すんだよ、竹中ぁ!」
「あんたにそんな愁い顔は似合わないのよ。もう少し、シャキッとしなさい」

紅羽はけらけらと笑いながら言った。


彼方が、任務に行ったのか。
へぇ、やるじゃないの。
あの大将が何を任せたのか知らないけど、俺様は見守ってるしか無いよね?

「だって、オカンだもんね」

屋根の上では、佐助が寝転びながらぼやいた。