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Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.122 )
日時: 2010/12/09 18:56
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

戦国死神編 第7話

「使えぬな」

目の前に居た、兄貴が急に吹っ飛んだ。
脇腹に赤い拳が刺さったのが見えた。
赤い鎧、でかい図体、何か猿っぽい顔。

間違いない。豊臣秀吉だ。

「使えぬ。風魔の子孫よ」
「ねぇ、俺言ったよね。乱暴に扱ったら即お前の事を殺すと。お前の事は、容易く殺せるよ俺」

豊臣の背後に、兄貴の姿が在った。
手刀を構え、首筋に突き刺そうとしていた。が、そこで刃が飛んでくる。
あの自由自在に動く刃、まさか——?

「海琉君、君には失望したよ」
「半兵衛様……。いや、竹中半兵衛」

紅羽ちゃんによく似た銀髪。手に持つのは、紫色の刀。
竹中半兵衛の姿だった。
病弱のくせに、よくやるな……。大丈夫か?

「兄貴!」
「平気だよこんぐらい。でも、右手折れたかも……」

兄貴は苦しそうな表情を浮かべ、右手を押さえる。
骨折? 嘘、マジでか!
どんだけ豊臣、腕力強いんだよ!

「海琉さん大丈夫ですか?!!」
「あぁ、凜音君。大丈夫大丈夫。忍びなんだからこれぐらい平気にならないと」

へらりと笑う兄貴には、微かに汗が浮かんでいた。
どうやら本当に痛いらしい。
すると、俺らの先祖メンバーが豊臣に向かって叫んでいた。

「てめぇ、よくもこいつを……。許せねぇ!!!」

政宗は、六爪流で豊臣に特攻。

「War Dance!!!!」
「甘い」

横なぎで吹っ飛ばされる。
え、こんなに強いの? 豊臣って。織田と変わらないんじゃない?
また、誰かが犠牲になるのか?
あの時の、零みたいに。死んじゃうのかな。

そんなの嫌だ。誰も犠牲にはしたくない!


「だったら海琉君。爆弾を起動させるよ」


「それはどうかな?」


兄貴についているはずの首輪は、もう無いよ。
あんたの首輪は脆すぎる。今度はもう少し丈夫なのを作ってきなよ。
兄貴は自由だ。誰にも、支配されない。

犠牲になるのは、誰だ?

俺でいい。俺だけでいい。それで良いんだ。
その時、

「烈破!」

ドカンと壁が弾け飛んだ。
見ればそこにあったのは、白髪の少年。所々傷だらけで、手にはボロボロの刀。
小太郎。

「てめぇ……。拉致監禁は俺には似合わないんだよ。凜音! 刀貸せ、こいつを微塵切りにしなきゃ気が済まない!」
「Ha!!! 言うじゃねぇか小太郎!」

凜音は、持っていた刀を放り投げた。
それを受け取った小太郎は、すらりと鞘を抜く。鞘を捨て、身構えた。
元千代は双剣を、元喜はヨーヨーを、紅羽ちゃんは仕込み傘を。
旦那はモップ、凜音は箒を6本構えて。
兄貴は忍者刀を構え、きせらは苦無を構えていた。
先祖も、皆武装している。

これから、戦うんだ。

戦って、勝つんだ!

「「「「「てめぇを、ブッ倒す!」」」」」


※次回、最終章 終結。