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- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.123 )
- 日時: 2010/12/09 20:27
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
戦国死神編 第8話
先陣を駆ける、2つの銀影。言わずもがな、元千代とチカさんのコンビ。
「たっぷり味あわせてやるぜぇ!」
「調子のんなよ、お山の大将があぁぁぁ!!!」
槍と双剣は豊臣に向かっていくが、豊臣は操縦者ごとなぎ倒す。
2人は端までぶっ飛んだ。
刹那、向かっていくのは銀閃。旦那のモップである。
炎を纏ったモップは、豊臣の腹をめがけて——。
しかし、これも竹中の手により、弾き返されてしまう。
俺は大手裏剣を構え、豊臣に向かって走り出した。
影を巧みに操り、大手裏剣に憑依させる。ズズ、という音と同時に大手裏剣が黒く光る。
豊臣はハッとしたように俺を見て、そして拳を振る。
見事にヒット。俺の脇腹さ。
「ぐぅ……?!!! 何て、な☆」
俺は腹の痛みにこらえ、飛びあがる。そして右脚で回し蹴り。
ゴキッと音がして、豊臣の顔面に入った。しかし、そんな小さな攻撃が効く訳がない。
豊臣は、俺の脚を掴んで、部屋の端に投げ飛ばした。
それを待っていたかのように、凜刀の刃が俺の肩を貫く。
激しい痛みが肩を駆け抜け、意識が薄れるが何とか持ちこたえた。
「足掻き過ぎだよ。君達が束になっても、僕と秀吉に破敵わないさ」
竹中が嘲笑を浮かべながら、凜刀を引き抜く。
刺さったのは左肩。左腕は使い物にならないな。良かった、利き腕じゃなくて。
大手裏剣を収め、苦無を取り出す。数本指に構え、走り出した。
竹中は苦無で攻撃してくると思ったらしく、凜刀を振り上げた。
———— 甘い。
俺は急停止して、苦無を投げ捨てた。
竹中の瞳が見開かれる。当たり前だよな、だってよぉ。
俺の先祖も、忍びだぜ?
「引き寄せの術!」
横から大手裏剣が飛んできて、竹中にブチ当たる。
佐助が一息ついて、俺の許へ駆け寄ってきた。心配したような表情で、俺の肩の傷を眺める。
「痛い?」
「平気。心配性だなぁ」
オカンは、まだ心配している。
戦わない方が良いのかな? でも、そんなのは嫌だな。
すると、俺の目の前に拳が現れた。危ない、間一髪でよける。
あー、豊臣がお怒りですよ。怖い怖い。
「貴様ら、我を甘く見る出ないぞ!」
怒号。
その一言で、俺らは吹っ飛んだ。
「なっ……。声で吹っ飛ぶのかよ」
「嘘だろぃ。何であんなに攻撃してんのに、効かないんだよ」
元喜が舌打ちするのが聞こえた。元千代が驚くのも、政宗が苦しそうにうめくのも、小太郎が吹っ飛ばされたのも。
皆、死なないでよ。
俺頑張るから。皆の為に、頑張るから。
すると、俺らの前に慶次が立ちふさがった。
「もう、もう止めてくれ!」
「慶次よ。どけ。止めを刺す」
豊臣の呻くような声が、俺の耳朶を打つ。
だが、慶次はどかない。むしろ、超刀を構えて出迎える気だ。
一緒になって、寧ちゃんもフープを構えているし。
潤さんも天空さんも飛鳥ちゃんも五月ちゃんも、主を守る為に立ちふさがっていた。
翔も、お館様の前に立ちふさがっている。
「秀吉。昔のお前に戻ってくれ!」
「黙れ、我は————」
「慶次君。秀吉は、もう変わったんだ。昔には、戻れないよ」
竹中が、残念そうな声を出す。
秀吉は優しかったのか? あの猿が? 優しかった?
有り得ないな、俺。思考回路が狂ったのだろうか。
でも、胸騒ぎがする。どこかがおかしい。
「かなた」
上杉殿に、名前を呼ばれた。
にっこりと笑う上杉殿は、俺に向かって願いを込める。
「あなたに、毘沙門天の加護を——」
「ありがとうございます、頑張ります」
重い体を引きずって、俺は立ち上がる。ゆっくりと歩みを進め、印を結ぶ。
2人まとめて、逝かせてやるよ。
「我、全ての闇に問う——」
鈴の音が、どこからか聞こえた。
「我が闇よ——。我に力を貸してくれないか?」
そして、闇に問いかける。
これは秘術。俺の、最終兵器。
「我が命を喰らいて、ここに宿るがよい」
ズズズズズズ、と闇が生まれた。
手を伸ばし、2人に狙いを定めて——放つ。
「呪術———— 闇葬(ヤミオクリ)」
闇が2人を包む。
そして、吐き出した時には、2人とも眠っていた。
これは、人の全ての闇を取り除く術。
俺は闇を喰らう忌み子だから、これぐらい平気だし。
「ねぇ、何で。主人は眠っているの?」
そこに居たのは、リエン——。
※次回予告!
これが本当に最終章!
リエンが暴走し始めた。
止まらない暴走を止める為、翔達が立ち上がる。
そして、猿影3兄弟も本性を——。
少し某エクソシストが出てくる悪魔退治の話に似ているけど、そこは気にすんな☆
次回! 死神暴乱編 スタート!
見逃すな!