BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.125 )
日時: 2010/12/11 17:08
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

死神暴乱編 第2話

城に下敷きにされて死んだはずのリエンが、瞳孔全開でここに君臨!!!
嘘でしょ? あれって、結構威力あるんだけど。おかしいな、力の配分間違えた……んじゃ、ないですよね。
それでも相当のダメージを受けたはずなのに、何でピンピンしてるんだろうか。

「無駄だって言ったじゃん。リエンの話、聞いていた?」

リエンは、空中から鈍色の大鎌を生み出す。ごつごつした柄に大きな刃、まさしくそれは『死神の鎌』だった。
途端に俺の体に、恐怖が駆け抜ける。
様々なものが、頭の中に流れ込んでくる。

—— 助けてえぇ……。助けてぇ。

—— 苦しいよぉ。痛いよぉ。

これは、人が殺されていくシーン?
リエンの記憶、いや死神の記憶なのか?

「う……ぁ……」

頭が痛くなってくる、意識が遠のいてくる。
旦那。凜音。小太郎。元千代。元喜。紅羽ちゃん。先祖の皆さま。佐助。
ゴメン、先に逝くかも。

「この野郎! 手間を掛けさせんな!」

ゴッと頭に衝撃。痛さで俺、覚醒☆ って、おい!
今さっき叩いたの誰だ!

「バカ忍びが! 他の奴らは平気なのに、何でお前だけ飲まれているんだよ。干渉しすぎだ!」
「へ? 飲まれたって、俺が? 誰に?」
「リエンの記憶なんてに、騙されるんじゃねぇ。あれは、過去に起こった事だ!」

翔が俺に向かってどなっていた。
何だ、翔が叩き起こしてくれたのか。でも、どうして——。
飲まれた? リエンの記憶に、飲まれたって言うのか?

「彼方、大丈夫かよ。痙攣してたぜ」

元千代が笑いながら言ってくる。
痙攣? そう言えば、手足にしびれがあるなぁ。
そんな事があったんだな……。

「どうするんだよ。あいつ、どうすればいいんだよ!」

政宗が、天空さんに向かって叫んでいた。
天空さんは、少し苦しそうな表情を見せると、言葉を吐き出した。

「殺すしかないよ」

息が止まるかと思った。
相手は翔達の仲間、それを殺すとなると—— 苦しいんじゃないか?
だから皆、あんなに苦しそうな表情で?

「違う」
「? 何が違うんだ、ナリさん」

ナリさんが否定をした。

「おそらく、五月やその他の死神にとって、リエンを殺すのは容易い事。しかし、その力が問題になってくる」
「おい。どういう事だよ毛利。分かりやすく説明してくれよ」

チカさんが、ナリさんに向かって抗議をする。
するとナリさんは、チカさんを鼻で笑った。明らかにバカにしている。

「分からぬか長宗我部。奴らは、あの死神を殺す事を造作も思っていない。仲間意識などという生温い考えは、奴らの中に存在はしないのだ」
「じゃぁ、それは————」

つまり、初めから仲間なんて思っていなく。
いざ暴走し始めたら、殺す。そういう関係だった。
じゃぁ皆も? 潤さんも天空さんも飛鳥ちゃんも五月ちゃんも寧ちゃんも。
暴走したら、殺されちゃうの?

「まるでお前だなww」
「黙れ馬鹿めが」

元千代が余計な事を言い、元喜に殴られていた。しかも、10キロのヨーヨーで。
さすがの元千代も、あれには耐えられないよな。重力とかあるんだぜ?
すると、翔が俺らに向かって、言葉を放つ。

「お前らは、ここから逃げろ!」

それは、逃げろという言葉。
危険だから? それとも、死んでほしくないから?
今はそんなのどうだっていい。俺だって、皆には死んでほしくないから。

「嫌だ——」


ザッ


目の前に現れたのは、深海色の刃。潤さんの悲しそうな表情。

「頼む。翔の願いを、聞いてやってくれないか?」

嫌だって答えたら、俺はどうなるだろうか。
そんな事を考えていたら、城の瓦礫から豊臣軍の兵がゾンビとなって再登場☆ っておい!
何でまたゾンビ?!!! ゾンビ好きだなおい。
(だって、お化けの辞典、友達に貸しちゃってるし)そういう問題じゃない!

「ねぇ、リエンと一緒に逝こうよ。独りにしないで」

リエンは、虚ろな瞳で言う。
すかさず寧ちゃんが動き、フープを振った。

「風切り48!!!」
「だからどこかで聞いたことが在るようなあぁぁぁ!!!!」

ヤバイ、どうしよう。ゾンビに囲まれちゃったよ。
どうすんの。俺!


『クスクス————……』