BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.13 )
日時: 2010/08/31 17:50
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

孤独編 第2話

大阪の少し手前。

「待てぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「誰が待つかボケェェェェェェェェ!!!!!」

俺は、豊臣の軍に見つかり追われていた。
武田の忍びとは誰も知らなさそうだね、良かった。
でも、まず死にそうです。助けてください。

「この野郎、皆殺しじゃボケがぁぁぁぁぁあ!!!!」

これで、良かったのでしょうか。


*****

「ハァ、免れた……」

辛すぎる。馬で追われるのは、辛すぎる。
ねぇ、何? この寂しさ。俺泣きそう。ぐすっ…。
その時だった。


ガサササササササササッッ!!!


誰か来た。
豊臣か? まさか、それはないだろうな。
草むらから見えたのは、大きな刃。曲線を描いた、鎌の刃。

まずい、殺される。

「誰だ!」

すると、草むらから現れたのは…。


黒い服を着た、少年だった。


歳は俺らと同じ歳か、それ以下か。黒く長い髪の毛は女の子を思わせる程に長い。
袖から伸びる、白磁のような滑らかで綺麗な肌に、華奢な腕。
精悍な顔つきに、瞳は長いまつ毛で覆われている。

「お、おい。しっかりしろ!」
「……、ォ———」
「お?」

その少年が吐き出した言葉は、


「お腹、減った」


*****

赤い灯が、少年と俺を照らし出す。
少年の茶色のかかった瞳が炎を映し出していた。
姿は、一言で表せば妖艶。悪く言えば、少女容姿。背負う身の丈を超す、大鎌は鈍く輝いている。

「ありがとう、助けてくれて」
「あ、良いよ別に。死んだら困るしな」

少年は小さく頭を下げる。
可愛いな、旦那の幼いころを見てるみたいだ。

「…、俺は翔と言います。よろしくお願いします」
「へぇ、俺は猿影彼方。彼方って呼んで。後、敬語は無し。俺ら、タメでしょ?」
「まぁ、そうだと思う。よろしく」

その、翔と名乗った少年はその精悍な顔に笑みを浮かべた。綺麗な、誰もがこいつに恋をしてしまうようなそんな笑みだった。

「どこに行くつもりだったんだ?」
「えーと、豊臣の城…。大阪城だよ」
「じゃぁ、あそこだ」

翔が指をさした先には、ドでかい城が建っていた。
月をバックに、綺麗に佇んでいる。

「ほぇ…」
「俺も手伝う。こう見えても、強いんだ」

大変な予感になりそうです。