BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.31 )
日時: 2010/09/08 17:05
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

雪谷編 第3話

「う、ん……? あれ、俺———」
「気がついただか?」
「どわたぁ?!!」

びっくりした。
青い髪の毛の女の子が俺を覗き込んでいた。
一体誰だろう。あ、思い出したよ。いつきちゃんだ。

「おらはこの村のいつきってゆーんだべ。お兄ちゃん、名前は何てぇだ?」
「猿影、彼方…」

思わず名乗ってしまう。
超可愛い。佐助に会う前だったら惚れてたかも。
でも、この子には親衛隊がたくさんいるんだよな…。

「彼方ってゆーんだね。おらの畑で寝っ転がってたから……大丈夫だか?」
「へ、うん。全然?」

そっか、といつきちゃんは笑って見せた。
多分ここは奥州からそうとう離れてるんだろうな。

「なぁ、いつきちゃん。頼みたい事があるんだけどよ」
「何だべ?」


「俺をこの村に住まわせてくれないかな」


*****【紅羽視点】

甲斐

まったく、何をやってるのよあのバカどもは。
奥州に行ったきり帰ってこないじゃない。どういう事よ。
私を置いて、どこかに行くなんてしないでよ…。

「どこ行ったのよぉ〜…」

その時だ。


〜♪〜♪〜〜♪


電話だ。相手は、え? 誰この電話番号。
でも、出てみよう。

「ハイ、もしもし」
『紅羽ちゃん? 彼方の兄の、海琉だけど』
「海琉さん? どうかしたの?」

『佐助君達を連れて、奥州まで来てほしい。今すぐに! きせらをそっちに行かせたから!』


【佐助視点】

「何だよ、これ…」

俺様は流の旦那達の姿を見て、驚いた。
ボロボロだ。まるで、雑巾のようなそんな感じ。
海琉さんは怪訝そうな顔で言う。

「倒れてたんだよ。おそらく、豊臣にやられたんだな」
「そんな…」

旦那が膝をつく。
仕方ないよ、あの豊臣だもん。敵う訳がない。
きせらちゃんが隣の部屋の襖をあける。

そこには、幸音君が寝ていたのだ。

「幸音?!」

旦那が幸音君の元に駆け寄って行く。
きせらちゃんがうつむいたまま話した。

「竹中半兵衛にやられたの…」
「嘘、私の先祖が?!」

紅羽ちゃんが驚いた様に言う。

「そうだよ。刺したっていうかね…」
「彼方君は? ゆっきーの忍びじゃないの?!」

紅羽ちゃんが海琉さんに訊いていた。
すると、海琉さんはこう答えた。


「いなくなった」


嘘だろ、彼方が…。

————— 消えた?


*****

どこかで、俺を呼ぶ声がした。
きっと旦那だろうね。

「ゴメンね、旦那」

俺、強くなって帰ってくるから。


死なないで。