BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.32 )
日時: 2010/09/09 15:42
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

雪谷編 第4話【幸音視点】

真っ暗だ。何も見えない、何も聞こえない。
誰かいないのか? 某はここにいるぞ。

——— 旦那。

彼方?
彼方、どこにいる。某はここにいるから、早く迎えに来い。
某を独りにしないでくれ。

——— 旦那、ゴメンね。

何故謝る。某は、何かしたのか?

——— 俺、旦那を傷つけた。忍び失格だね。

失格じゃない。彼方はいつも、某の隣で笑ってくれていた。傍にいてくれて、守ってくれた。
だから、某も彼方を守っただけだ。

——— 守るものが多すぎたんだ。だから、全て守れるようになるまで、離れるよ。


さよなら。


「彼方あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


*****

目の前は天井。そして、肌を突き刺すような寒さ。

「こ、こは——」
「幸音、気がついたか!」
「ゆ、き、むら…?」

幸村が心配そうに、某を覗き込む。
大丈夫だ。心配はない、心配はないから。

「彼方、は?」

そう訊くと、幸村は怪訝そうな表情を作った。
彼方はどこへ行った。まさか、消えたとか?

「彼方殿は——— いなくなったで、ござる」

夢が、現実になった。


*****

「ぎゃぁぁぁぁ!!! ヒグマだぁぁ!!!」

村人の叫び声がした。
村に侵入してきた、熊さん。今は真冬ですぞ、冬眠をしろ。
まぁ、そう言っても聞くはずもなく。俺が行くしかないですね。

「とぉう!!」

熊の顔にドロップキックを叩きこむ。
ゴメンなさい、動物愛護団体の皆さま。俺は熊を、蹴りました。

「大人しく森へ帰りな。熊鍋にしちゃうゾ☆」

そうにっこりと笑いながら、言うと熊は逃げ帰って行った。
よし、任務完了。

「やっつけてくれて、ありがとうだ」
「いえいえ、どういたしまして」

いつきちゃんが笑顔で俺の名前を呼んだ。


「彼方お兄ちゃん」