BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.36 )
日時: 2010/09/12 13:50
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

風魔編 第2話

小田原城は、やけに広い。そして、綺麗だ。
今は夏で、若葉を茂らせた桜の木がものすごくでかい。もうこれ、樹齢何年よ?! って言う程、大きい。

「ひゃぁ〜……。すげぇでかい木だな」

首が痛くなります(汗
いや、本当だって。これ、大きすぎるんだよ!

「最早これ、神様じゃないか?」
「有り得ない」
「風魔いたのかぁ?!!!」
「いた」

桜の木に、風魔がいた。
流石伝説の傭兵。気配を消すのが上手いな。
え? 何で俺が外にいるかって?
あれだよ、北条氏政から許されたんだよ。外出許可。でも、お目付役に風魔がいる訳。
逃げも隠れもしないって。無駄なんだから。

「逃げないから、ついてくるな」
「嫌だ」
「何でだよ。お前は兄貴かっ!」
「???」

あ、訳分からないって言ってる。
無理もないよな。兄貴を知らないんだもの♪ まぁ、そこは置いといて。

「俺の兄貴だよ。お前の子孫、猿影海琉。まぁ、そのうち来るからさ、来たらぶっ殺してくれても構わないし」
「……」
「あ、自分の子孫は流石にヤれないか。でも、あいつ本当変態だからさ」

お前とは違うんだよなぁ、と言おうとした時風魔が俺の口を塞いだ。
手でだよ? こいつ、そこらへんの奴らと違って優しいの。

「兄の事、悪く言うのは良くない」
「……それもそうだよな。あれでも、兄貴だしな」

腐っても兄貴。俺の大切な奴だけど……。
1番大切なのは————


猿 飛 佐 助


急に寂しさが戻ってきた。





よ。          俺は
             ここに
               いるよ。

言ったら、あいつは来てくれる?
今ここに来て、俺を抱きしめてくれる?

「風魔、部屋に戻るから道教えて」

そんな事を言う俺を、風魔は黙って道を教えてくれた。

早く助けに来てよ、俺はここにいるよ?


*****【小太郎視点】

俺達は今、甲斐にいる。
彼方が行方不明になったらしい。で、俺達は彼方を探す為に作戦を立てている訳。
連絡もつかないし、どこに行ったのかも分からない。

「彼方ぁ、どこに行ったのだ……」

幸音の悲しそうな顔が見えた。隣では、幸村が一生懸命慰めている。
その隣にいるのは、いつもの忍び。


——— 旦那、泣かないでよ。


あいつだったら、きっとそう言うだろうな。俺には分からない。
守れるもの? そんなの、ありもしない。
俺なんて、どうだって良いしな。所詮、使い捨てなだけだし。
凜音は、俺がいなくなったらどうするかな。

「おい、小太郎」

途端に、凜音が俺に声をかけた。
何、一体。俺は消えても良いんですか?

「あんたは、俺の目の前から消えるな。絶対に、何があっても」

珍しい事、言ってくれるじゃん。

「珍しいね。凜音がそう言う事、言うの」
「うるせぇ、ただ……隣がスカスカするのが嫌なだけだ」

またまた、そんな強がり言っちゃって。本当はそうは思ってないんでしょ。
いなくなるのが嫌なんだね、俺が。
仕方ないな、最後まで一緒にいてあげるよ。


「彼方の居場所が分かった」


襖を開けて入ってきたのは、翔と名乗っていた真っ黒の死神。後ろには彼方の妹、きせらちゃんがいる。
きせらちゃんが、佐助に渡したのは一枚の紙切れ。
佐助の視線が、紙面を滑り表情が一変する。

「小田原…?!!」
「そ。彼方は小田原にいるらしいぞ、最北端の村の情報だ」

小田原って言ったら、北条氏政と風魔小太郎じゃないか。
そんな所に彼方はいるのかよ。拉致された?!!!

「行くしか、ないでござるな」
「あはは、同僚とは戦いたくはなかったけど…」
「俺の先祖だけどねぇ…。まぁ、良いか。俺の彼方をおぉ…!!!」
「海琉兄さん、うるさい」「きせらぁ?!!」

行くしかない、か。
俺は凜音に視線を移した。

あ、準備万端だ。

ついでに言うと、政宗も小十郎さんも。
行くしかないのか…。


「行くぞ、小田原に」