BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.37 )
- 日時: 2010/09/12 14:33
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
風魔編 第3話
俺は布団で横になっていた。傍には風魔がいる。
何、この寂しさ。俺、死んじゃう。
心が求めるのは、人の愛情。「愛してる」の言葉。
それを埋めてくれる人はいない。
「1人って、こんなにも辛いんだな」
そう言っても、返ってくる言葉は———
「そんな事はない」
あった。
風魔は平然と答えてくれた。
「今は風魔がいるけどね。皆がいないと、こんなにも悲しいなんて思わなかった」
その言葉には返ってくる言葉はなかった。
俺は、1人で話し続ける。
「旦那はね、園田幸音って言ってさ、真田幸村の子孫で。
凜音って奴は、伊達凜音で伊達政宗の子孫。
片木小太郎はあの片倉小十郎さんの子孫。
俺の兄貴はあんたで、俺の妹——猿影きせらはかすがちゃん。
長富元千代って奴が、長宗我部元親で。
毛利元喜が毛利元就。
竹中紅羽ちゃんが、竹中半兵衛な」
「お前は?」
「俺? 猿飛佐助。子孫じゃなくて、生き映しってとこ」
その事実に、風魔は驚いたのだろうな。
何も言ってこなくなった。
それはそれで寂しいな。
*****【風魔視点】
俺がさらってきた奴は、それはそれは綺麗な男だった。
空に映える赤い髪、そして頬には一筋の傷。瞳は茶色い。そんな奴だ。
「猿影彼方」と名乗った奴は、忍びらしい。俺と同じだ。
しかし、そいつは実に興味深い。
俺の事を「兄貴」という奴に重ねてくるし、第1、俺の事を怖がらない。
むしろ、真っ直ぐな瞳で見つめてくるのだ。
——— なんて、芯の通った奴だろう。
何にも屈せず、高貴に気高くいるかと思えば、寂しがりな一面もある。
そして、一心に思い続けている奴がいる。
それは旦那と呼んでいる奴か、それとも別の誰かか。
こいつには興味がある。しかし、どこか別の感情も抱いていた。
「愛しい」
俺は、おかしくなったのだろう。
時計の針が狂う様に、俺の心もおかしくなってしまった。
こいつは、誰にも渡したくはない。
そう、思った。